岡本 博史 自己紹介へ

住み心地がいい家とは?

2025/01/08(水) 家づくりのこと

住み心地が良い家って、結局のところ「住む人が心地よいと感じられる家」のことなんですよね。 家そのものが主役じゃなくて、そこで暮らす人が主役だから、「人」が主語になる家づくりが大事なんだと思います。

カスケの家は、そんな「人が心地よく暮らせる家」を目指して、日々家づくりに向き合ってます。ホッと安心できる空間を作りたいです。

contents

1. 住み心地がいい家のための間取りとデザイン

 1-1 理想的な間取りの条件

 1-2 デザインの工夫点

2. 住み心地がいい家のための性能

 2-1 高気密・高断熱の重要性

 2-2 採光と通風の工夫

3. 具体的な事例紹介

 3-1 事例1: 2階までリビングの家

 3-2 事例2: 2列型キッチンとリビング

 3-3 事例3: 背面キッチンとリビング

   3-4 事例4: 家族が集まるリビング

4. 住み心地のよい家のメンテナンス

 4-1 定期的な点検の必要性

 4-2 長持ちする家にするための工夫

5. まとめ

住み心地がいい家のための間取りとデザイン

住み心地がいい家を実現するためには、間取りとデザインが大変重要です。まず、家族のライフスタイルに合わせた間取りを考えることが必要です。リビングやダイニングは大切です。住む人が集まり、団欒のひとときを大事にしたいです。テレビを見たり、ゲームしたりも良いですが、庭で遊ぶ子供の気配を感じながら、料理を作るとか、庭で採れた野菜や果物を料理に加えるっていうのも、一戸建てならではの暮らし方です。そんな全体コンセプトを考え、間取りやデザインを組み立てます。主役は人で、テレビや子供のおもちゃ、庭に植える木も脇役で出てきます。

暮らし方で脇役は変わってきます。年を取れば暮らし方も変わり、脇役たちはどんどん変わります。それに合う間取りや、主役や脇役がずっと絵になる、背景のようなデザインが出来れば、ずっと住み心地が良い家になると考えています。子供の絵も良いですよね。

理想的な間取りの条件

理想的な間取りの条件はいくつかあります。住む方の人数、性別、関係性、趣味など様々な事を配慮しなくてはいけません。人によって違います。

ただし、涼しくて暖かい家は多くの人にとって理想だと思います。涼しくて暖かくて、家族が和む空間づくり、ダイニングやリビング造りこれを第一に優先します。家事動線や回遊動線を良く言われます。大事ですが、特に回遊動線は絶対ではないかなと思います。動線を作るために収納量が減るようでしたら、収納量を優先させることが多いです。取れればラッキーくらいです。間取りは何でもできそうなんですが、敷地形状や方位によってと弊社の考え方では、何でもは出来ません。お客様ごとに読み解いて、カスケの家の考える理想の、正解の間取りを、ご提案させていただくように意識しています。理想の間取りは、家族が集まる場所(LDK等)が心地よい集まりたくなる場所になっているという事だと思います。

デザインの工夫点

デザインの工夫も、大切ですね。私は20年以上のキャリアがりますので、色んなテイストの家を手がけました。和、南欧、北欧、シンプル等々、色々なデザインテイストを要望があればやってきました。設計の仕事をされてる方は、雰囲気を作るのは上手ですので、どんな雰囲気でもできると思います。

ただし、住み心地が良い家を造りたいと思うと、何でもは出来ません。コンセプトが決まると、完成形と生活後の暮らしを想像してしまいます。かっこいいけど、10年後住み心地良いのかな。子供が書いた絵とか飾らないのかなとか思ってしまいます。そういった先読みをして、色見や形状のデザインを工夫しています。住めば住むほど、やっぱりここで暮らしたいと思える雰囲気にすることが、色んなデザインテイストに合わせる事より大事に感じます。

住み心地がいい家のための性能

住み心地がいい家のためには、性能は重要です。「GX志向型住宅」2025年度の省エネの補助金で必要な性能の基準です。断熱等級6は必要です。

一次エネルギー消費量では35%削減が必要です。そして再生可能エネルギー(主に太陽光発電)をつけ使ったエネルギーより作ったエネルギーを比べ、100%以上にならなくてはいけません。まだ、基準が全て発表されていませんが、この基準がそこまでコストアップにつながらず、出来る基準かと思います。

日経クロステック:https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00154/02293/

高気密・高断熱の重要性

高気密高断熱の家は、住み心地に大きな影響を与える重要な要素です。 断熱性能については、国の基準が年々上がり、それに合わせて多くの工務店が対応してきたので全体的に良くなってきました。GX志向型住宅の基準を目指す会社が増えると思いますので、そうすると断熱性能に限って言えば、どこで建てても大差がつかない時代になってくると思います。

しかし、気密性については国の基準が設けられておらず、気密測定を実施していない工務店もまだ多いのが現状です。気密性能は換気扇を計算通り機能させるために必要な性能です。 さらに、気密性を高めることで隙間風がなくなり、エアコンの効率が向上し、より快適な住環境を実現できます。

気密性は目に見えない部分があるので、適切な測定と検査が必要です。 住まいの快適性とエネルギー効率を確保するためにも、ぜひ気密測定を行い、その性能を確認することをお勧めします。

加えて、防湿性を高める事が大事です。プロでも気密と防湿がごちゃごちゃになってしまう事が多いですが、別です。壁体内結露は、断熱性も構造も弱くしますので、要注意です。土台が腐っている写真です。腐朽菌という菌が腐らせます。濡れるだけなら大丈夫ですが、濡れるとこの腐朽菌が発生しやすくなってしまいます。気密も同時に取れますが、防湿層としてのベーパーバリアが大事です。単なる気密性C値の競争をしがちですが、防湿性を忘れないように、私も注意しています。

採光と通風の工夫

住み心地がいい家を実現するために、採光と通風について考えます。二つとも法律上の制限があります。まず通風ですが、高気密住宅では24時間換気で、空気はある程度きれいにできます。住んでみないと分からないとは思いますが、そんなに通風はしなくても良いというよりも、しない方が良いです。暑くて寝苦しい、でも電気代がもったいないから、窓を開けて寝ようとか、そういった事が少なくなるのが、高気密高断熱住宅です。エアコンを一台まわして、後は扇風機でも、寝れると思います。もちろん暑い日はありますが、外の空気の方がジメジメしてますし暑いです。湿気を含むと同じ温度でも体感温度はグッと上がります。

冬はストーブやヒーターを使えば、換気が必要ですが、エアコンであれば、基本的に必要ありません。ストーブが気持ちいいですよね、手をかざすと血流がグッと上がって、暖かい血が体をめぐる感覚が気持ちいいです。でも高気密高断熱住宅の場合、空気を汚さないエアコンにした方が、健康的で経済的な生活を送れます。

明るさは感覚による所もあるので、難しいですが、採光は、明るければ良いというものではありません。バランスが大事です。LDKは明るくしたいですよね。廊下も明るく寝室も明るくと聞くとそうなるのですが、明るさって比較するから明るいんです。狭い廊下に窓をいっぱいつけて明るくしすぎると、LDKもまあまあ明るくしたつもりなのに、暗く感じます。カスケホームは、明るさで言うと、全体を均一に隈なく明るい家は提案しません。必要な所に必要な明るさがある家の方が心地よいと考えます。

窓は採光と通風だけでは決められません。日射遮蔽、日射取得、構造、使い勝手、デザイン等色んな要素が絡みます。敷地とご要望で思ったようにいかない場面もあると思います。季節や天気によっても変わりますので、実用的に足りない明るさは照明で確保しておく事が大事です。

具体的な事例紹介

具体的な事例を見ていきましょう。岡山県は、晴れの国と言うほど雨が少なく、住みやすい地域です。温度は最高気温35~38度、最低気温-3~‐6度くらいです。ちょっと、暑いですね。地震は活断層が少なく、大きな地震はあまり来ません。過ごしやすい地域ですね。土地は50坪ほどの団地が多いです。だいたい、車は2台必要な家庭が多いですね。

そんな岡山県に建てるなら、住み心地が良い家はどんな家でしょうか。

気温(気象庁):https://www.city.okayama.jp/shisei/0000016486.html

事例1:2階まで リビング

リビングは家族が自然と集まり、過ごしやすい空間になるよう、広くとることを意識しています。 家族みんなが同じ空気感の中で、音や光を共有しながら心地よく過ごす場所を目指しています。で、時々視線から外れるような、こもれるスペースが、あっても良いですね。

今回、2階の畳スペースはそんな使い方ができる場所です。 家族が同じリビングの空間がありながら、自分だけの時間を楽しむことができます。 また、階段を広く取りこの家ならではのちょっとした会話や行動が、住まいの楽しさをさらに広げる楽しい間取りです。

3つの箱が重なった、ナチュラルテイストの家:https://www.kasuke-and.com/co_photo/6bf7961933d01db3cd175c584d9fbd9d-523.html

Youtube:https://www.youtube.com/watch?v=JUXNqsyiVNA&t=6s

事例2: 2列型キッチンとリビング

料理のスタイルや家族構成によって求めるキッチンは変わります。 オーブンやレンジを頻繁に使う方、冷蔵庫に下ごしらえした野菜を保存しておく方、食器をたくさん持っていて料理に合わせて使いたい方など、それぞれにぴったりのキッチンが必要です。「誰が使っても万能なキッチン」というものはありませんが、今回は2列型キッチンの魅力を紹介します。

2列型キッチンの一番の特徴は、コンパクトに設置できることです。そのおかげでダイニングテーブルのスペースをしっかり確保できます。ですが、食器庫や冷蔵庫、オーブン、レンジを入れるスペースは別途必要です。見せないシンプルな雰囲気を作りたい方には、このスタイルがぴったりです。

シンクが手前、コンロが背面に配置されているので、1人で作業する場合でもスムーズに動けます。シンクで下ごしらえをして、後ろを向けばすぐコンロで調理できるのが便利です。2人以上で作業する場合には、それぞれの作業スペースが分けやすく、効率良く料理を進められます。 さらに、コンロ側にも十分な作業スペースが確保されているため、調理だけでなく配膳の準備にも役に立ちます。

家族で料理を楽しむときにも、このキッチンは力を発揮します。この家では、キッチンとダイニングテーブル、そして空間全体のバランスがとても良く取れています。特別な設備も使わずにすっきりと、また、光の入り方も素晴らしく、明るく開放的な雰囲気の料理や食事を楽しめるキッチンになっています。

2Fリビングの店舗併用住宅:https://www.kasuke-and.com/co_photo/c070ef9c21f3dc282cc3eaef295aca70-523.html

事例3: 背面キッチンとリビング

背面キッチンにすると、対面キッチンよりダイニングスペースが広く取れます。こちらのお客様は、食器棚は小さくていいと思い切りました。そのスペースに円卓を配置しました。ダイニングテーブルは円卓も良いですよ。家族の視線が真ん中に自然と集まります。食事は、家族の毎日のイベントです。居心地の良い空間にしたいです。円卓を置いて、真ん中にペンダントライトを配置すれば、優しい光が食卓を照らします。オレンジ色の光の電球色のランプがおすすめです。ペンダントライトは、お嫌いな方もいらっしゃいますが、カスケの家ではお勧めしています。優しくて暖かい光、居心地が良いです。さらに和室とリビングがなんとなく、分かれていて、一体なんですが、こもれる場所があり、絶妙な距離感で家族が過ごせます。

子供が走り回れる小さな家:https://www.kasuke-and.com/co_photo/cb220be8d825ac3733ea2d3b0fff0526-523.html

Youtube: https://www.youtube.com/watch?v=6nEHN-Qi-VQ

事例4: 家族が集まるリビング

設計段階でカスケホームは、「家族が集まるリビング」これを狙います。ただ実際はどうなのでしょう。私の家をご紹介します。リビングは居心地の良い場所にはしたかったです。

ただ、子供たちは、ほどほどによってきてほしかったのですが、そこまでの調整は出来ませんでした。遊び場として用意したスペースよりも、メインで遊んでいます。子供は広くて明るい場所があれば、おもちゃが無くても楽しそうに遊びますね。設計段階では、私がソファーに座ってのんびり本でも読むスペースにしたかったですが、みんなが集まってきて、なかなかそういう暮らし方は出来ません。楽しいですけどね。家族が集まりすぎるリビングです。

庭と育つ家:https://www.kasuke-and.com/co_photo/6485452526b2d77869a9b1296a00b23f-523.html

Youtube:https://www.youtube.com/watch?v=qV_Cb9poN1g&t=459s

住み心地のよい家のメンテナンス

住み心地のよい家を実現するためには、メンテナンスが欠かせません。定期的な点検や修繕を行うことで、健康的な住環境を保つことができます。屋根や外壁、防蟻処理はプロにお願いするようになると思います。ご自身でするメンテナンスもあります。排水桝の脂取りは必要です。桝に油が固まり排水が出来なくなります。それと24時間換気の給気口や、換気扇の掃除をして下さい。フィルターにほこりが詰まると、換気がされなくなります。それからエアコンです。エアコンも掃除をしなければ、効きが悪くなり、さらに故障の原因にもなります。機械設備は、メンテナンスをすることで、長持ちします。逆に機械設備をつけすぎると、メンテナンスを多くする必要がありますので、不要な設備はつけない事をお勧めします。家のメンテナンスが増えると、住み心地はよいとは言えませんよね。

定期的な点検の必要性

定期的な点検は、住み心地のよい家を維持するための重要なプロセスです。

プロに頼むのが一番ですが、床や天井に着いている点検口から、のぞいてみてみましょう。点検口は浴室の隣の脱衣所についている家が多いです。水漏れや湿気がたまりやすい場所なので、たまに覗いてみれば、カビや腐食を発見できるかもしれません。気付くのが早ければ、対処が簡易で住む場合もありますので、点検をお勧めします。

長持ちする家にするための工夫

長持ちする家にするためには、いくつかの工夫が必要です。まず、耐久性のある材料を選ぶことが重要です。

劣化しにくい材料が良いですね。そして劣化の仕方が好きな素材だと、なお良いと思います。カスケホームはガルバリウム鋼板と焼き板を標準採用しています。耐久性もあり、劣化もしにくいです。焼き板は、流行りとかではないので、ずっとある材料だと思います。一枚だけ張り替えたいとかなった場合、2次製品だと廃盤になってたりしますが、そのような事はまずないので、安心できますね。

まとめ

住み心地が良い家は間取りによる所が多いですね。カスケホームでは、お客様にご提案するプランは,最終的に1つだけです。でも、その1プランにたどり着くまでには、実は10以上ののプランに挑戦しています。構造や法律、デザイン、機能性を一つ一つ見直し、お客様のご要望と私たちの理想を丁寧にすり合わせながら考えていきます。しっくりこなかったり、予算の調整が必要な場合には、また新たな10のプランを考え直します。この繰り返しによって、結局「これだ!」と考えたプランを提案しています。構造・性能・デザインを良くしたうえで、ご要望を取り入れるのでそうなりますね。出来たプランに自信はあります。それを微調整して、お客様にとって住み心地の良い家になります。基本的な考え方が違うと、何回プランをやっても、良くなりません。そうですよね、ベストな間取りが10も20もあるわけがないです。私共のご要望の聞き取り方が悪くても、プランは2回くらいまでだなと、思います。それ以上は、無理やり納めている感覚になります。まず、ホームページ等をみて、その会社さんの考え方がどうなのかという所を見てみると良いと思います。

カスケの家が考える住み心地の良い家は断熱性が高く、気密性の良い家、壁体内結露を起こさない家で、外壁や屋根が軽くて丈夫。LDKは広く取り、それ以外はコンパクトに、お庭も季節が感じられ、家の一部として使えるような家です。多くの方にちょうどいいなと思っていただける家をシンプルにかっこよく、住めば住むほど味わいが出るような、住み心地の良い家を作りたいです。

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