注文住宅を建てる場合、土地探しやハウスメーカー選び、資金計画や設計プランの決定まで、やるべきことがたくさん。注文住宅を建てたいと思った時に、家づくりにかかる期間、またどのように進んでいくのか、流れを知ることはとても重要です。
計画から着工、完成までの工程をしっかり把握しておくことで、スムーズに家づくりが進みます。まずは、どのような家にしたいのかを具体的にイメージを固めることが大切。次に、信頼できるハウスメーカーや工務店を選び、打ち合わせを重ねていきます。そして、費用や細かい仕様を決定し、いよいよ着工です。工事中は定期的な現場チェックを欠かさず行い、完成後には入居前のチェックも忘れずに。このように、注文住宅を建てる流れを理解しておくことで、失敗せず満足できる家づくりが実現できます。
今回は注文住宅の購入から完成までを詳しく解説します!
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注文住宅の基本情報
新築一戸建てには、大きく分けて建売住宅と注文住宅の2つの種類があります。どちらにもメリットデメリットがあり、一概にこちらが良いとは言い切れませんが、どちらを選ぶかによって、費用やスケジュールに大きな違いが生まれるので、最初の段階で判断する必要があります。
それぞれの特徴を見ていきましょう。
注文住宅とは
注文住宅とは、自分たちの希望やニーズに合わせて間取りや設備、外観に仕上げられる物件のことを指します。また、分譲住宅とは異なり、自分たちが土地を選び、建築する家でもあります。
注文住宅と建売住宅の違い
注文住宅と建売住宅の違いについて、まず最も大きな違いは建てるタイミングです。注文住宅は、自分たちの希望に合わせて土地を取得し、建物をデザインして建てるため、完成までの期間がかかります。
一方、建売住宅は、事業者があらかじめ土地を取得し、企画・設計した住宅を販売する形態です。そのため、建売住宅は既存の住宅と土地をセットで購入するスタイルです。
注文住宅では、建て主が自由に間取りや仕様を決められるため、より自分たちのライフスタイルに合わせた家を実現できます。一方、建売住宅はプランや仕様が決まっているため、個々の要望には柔軟に対応しにくい場合があります。
注文住宅を購入する流れ
注文住宅を購入する際の流れについて、具体的なステップを確認していきましょう。
まず最初に、自分たちがどんな家に住みたいのかを考えることが大切です。間取りや外観、設備など、希望を具体的にイメージしましょう。次に、信頼できるハウスメーカーや工務店を選び。インターネットや口コミを参考にし、実際に建てた実例などを見ることで、自分たちにぴったりの企業を見つけましょう。
そして、選んだハウスメーカーや工務店と打ち合わせを行い、具体的なプランや予算、納期などを話し合います。その後、契約を結び、いよいよ建築工事がスタートします。
注文住宅を購入する流れをステップごとに見ていきましょう。
予算の設定と情報収集
まずは、予算の設定と情報収集から始めましょう。資金計画を行い、家を建てるための予算を明確に設定することが大切です。
そしてハウスメーカーや工務店のウェブサイトやパンフレット、展示場などで、家づくりに関する情報収集を行いましょう。外観や間取り、性能や設備など、自分たちの希望に合った情報を集めることで、具体的なイメージが湧きやすくなります。
たくさんの情報を収集した後に、予算を考慮しながら希望条件と照らし合わせて、具体的なプランを検討。予算の設定と情報収集の段階でしっかりと下準備を行うことで、後の打ち合わせや契約時にもスムーズに進めることができます。
土地探しの決め手
土地探しは、家を建てる上でとても重要なステップです。まずは、住みたい地域や生活環境など、希望条件を整理しましょう。通勤や子供の通学など、日常生活での利便性も考慮することが大切です。
次に、希望条件に合致する土地を探します。不動産仲介業者やインターネットの物件情報などを活用して、候補地をリストアップしましょう。候補地を実際に見学し、日当たりや風通し、周辺環境などをチェックします。また、将来的な周辺開発の予定や地盤調査の結果なども確認することをお忘れなく!
最終的に、自分たちのライフスタイルや将来のビジョンに合った土地を選定します。自然環境や地域社会との連携など、総合的な判断を行い、理想の土地を見つけましょう。
建築会社の選び方
建築会社を選ぶ際には、いくつかのポイントに注意することが大切です。
まず、実績や評判をチェック。過去に手がけた住宅事例や顧客からのクチコミなどをチェックすることで、信頼性を確かめることができます。また、提案力や対応力も重要です。自分たちの要望をしっかりとヒアリングし、それに合ったプランを提案してくれるか、打ち合わせや質問に対する対応が適切かどうかを確認しましょう。
さらに、価格や納期なども比較検討することが必要です。建築会社ごとに異なるため、相見積もりを行い、適切なコストと工期を提示してくれるかを確認しましょう。最後に、スタッフの対応や雰囲気も重要です。長期間一緒に家づくりを進めるため、信頼できる担当者との出会いもとても大切です。
間取りの設計と見積もり
間取りの設計も、家づくりの中で大切なステップ。家族のライフスタイルや将来の暮らし方を考慮し、理想の間取りを具体化していきます。リビングの大きさやキッチンの配置、寝室の数と配置など細かい部分までしっかりと検討しましょう。また、収納スペースや子供部屋、趣味を楽しむスペースなど、快適な生活を送るための要素を取り入れることも大切です。
次に、設計した間取りを基に見積もりを行います。希望の間取りや素材、設備などを考慮し、具体的な費用を把握します。予算内で理想の間取りを実現するために、プロのアドバイスを受けることもおすすめです。ここで細部までしっかりと検討を重ねることで、後々のトラブルを防ぎ、満足のいく家づくりにつながります。
工事請負契約と住宅ローン
まず、工事請負契約では、建築業者との間で施工内容や納期、価格などが明確に記載されます。重要な書類なので、内容をよく理解した上でサインすることが大切です。
住宅ローンは、多くの場合、家を購入する際に不可欠な資金調達手段です。金利や返済条件、借入限度額など、様々な条件がありますので、複数の金融機関から情報を収集し、自分たちに最適な選択肢を見つけましょう。また、住宅ローンを組む際には、収入や支出、保険の有無など、様々な条件を金融機関に提出することになります。提出書類が揃っているか、必要な手続きは抜かりなく行うことが重要です。
工事請負契約や住宅ローンは家を購入する際に欠かせない要素ですが、しっかりと準備をしておくことで、安心して新しい住まいを手に入れることができます。
着工から完成まで
着工から完成までの注文住宅の建築工程を知っておきましょう。
まず、着工前に地盤調査や基礎工事が行われます。この段階で建物の形が具体化され、地盤に合わせた適切な基礎が作られます。その後、鉄筋や型枠の据え付け、コンクリートを流し込むなどの工程で基礎が完成します。次に、骨組みや外装、内装などの工事が進行します。柱、梁、壁、屋根などの構造部分が組み上げられ、建物がどんどん形になっていきます。その後、外壁や屋根、内装の下地工事が行われ、家のイメージがどんどん整っていきます。さらに、水道やガス、電気などの設備工事、内装仕上げなど、細かな工事が進み、ついに完成です。
この工程を把握しておくことで、工事の進捗状況を確認しやすくなり、安心して家づくりが進められます。
注文住宅の期間とスケジュール
注文住宅を建てる際の期間とスケジュールは様々です。家づくりの期間中は、建築会社とのコミュニケーションを大切にし、工程の遅れや変更がないかを定期的に確認することが重要。特に天候や材料の手配などで工程に影響が出ることもあるため、余裕を持ったスケジュールを立てることがポイントです。
各ステップの期間目安
STEP①事前準備【平均1~6ヶ月】
- 情報収集
- 予算決め
- 土地探し
まずは事前準備として情報収集からスタート。この期間は「気に入ったものが見つかるまで」なので人によりますが、平均して1~6カ月程度です。
ハウスメーカーや工務店のウェブサイトやパンフレット、展示場などで、家づくりに関する情報収集を行いましょう。また、どこでどんな家で暮らしたいのか、家族の意見を踏まえながら間取りや土地を検討していきます。
この段階で資金計画をしておくことをおすすめします。資金計画というのは住まいの購入資金をどうやって賄うのか、についての計画です。きちんと数字を出すことで、住まいの購入に使える予算が決まります。
STEP②土地の契約【平均1週間~1カ月半】
希望の土地が見つかったら、いよいよ土地を購入します。土地の形状や建築条件によって建てられる家が制限される場合があるので、土地を購入する前に、ハウスメーカーや工務店に参考プランや概算見積を提案してもらい、希望の家が建てられる土地か確認してから土地契約へと進む流れが一般的です。
STEP③住宅プランの決定【平均1~3カ月】
- 間取りの決定
- 建築請負契約の締結
- 設備や仕様の決定
- 住宅ローンの申込み
家のデザインや仕様の決定には、計画段階で1ヶ月から3ヶ月程度を見ておくと良いでしょう。土地に対しての建物の大きさや向き、そして間取りを決定します。日当たりのいい場所をリビングにしたい、できるだけ家事動線をスムーズにしたいなど、希望をハウスメーカーや工務店に伝え、プランを出してもらいましょう。間取りや外観、内装など細かい部分まで検討を重ねるための時間を確保しましょう。
すべての住宅プランが決定したら、住宅ローンの申込みを行います。申込みはハウスメーカーや工務店の担当者が代行してくれることもありますが、その場合でも書類の記入は必要です。
STEP④工事【平均4~6カ月】
- 地盤調査
- 基礎工事
- 大工工事
- 電気工事
- 外装工事
- 内装工事
- 引渡し
計画と各種申請が終わり、ついに工事のスタートです。新築一戸建てでは、建物の規模や建築条件にもよりますが、通常4~6カ月の施工期間がかかります。
住宅完成後、建築費用の残金を支払ってから引き渡しとなります。
引き渡しまでのスケジュール
引き渡しまでのスケジュールは、約1~2年ですが、打合せする内容が多く詳細設計に時間がかかる場合、土地によっては工事の許可を得るための申請が必要な場合、造成が必要な場合などによりスケジュールが伸びてしまう場合があるので事前確認が重要です。
注文住宅の費用と支払い方法
注文住宅を建てる際に気になるのが、費用と支払い方法です。注文住宅の費用には、土地の購入費用、建物の建築費用、さらには諸費用や税金などが含まれるため「思っていたよりお金がかかる」と感じる方も多いのではないでしょうか。事前にこれらを把握し、全体の予算を見極めましょう。
また、支払い方法についても検討が必要です。注文住宅の費用を支払うタイミングは「土地購入時」「建物建築時」「引越し時」の3つにわけることができます。建築会社への支払い額は、各社異なりますので、契約前に確認しておきましょう。
本体工事費とその他の費用
注文住宅を建てる際にかかる費用には、本体工事費とその他の諸費用があります。本体工事費には、建物の基本的な工事費用が含まれます。具体的には、構造や間取りに関わる部分、外装・内装の仕上げ、設備や設備機器の費用などが含まれます。
また、その他の諸費用には、建築確認申請や測量費、地盤調査費用、法令適合費用、または外構工事や植栽工事に関わる費用などが含まれます。これらの費用に加えて、消費税や登記費用、火災保険料なども忘れてはいけません。建物価格のみならず、諸費用も合わせて計画を立てることで、予期せぬ出費を防ぎながら安心して家づくりを進めることができます。
ローンの組み方と支払い回数
注文住宅を建てる際には、多くの方がローンを活用されています。住宅ローンの組み方や支払い回数について理解しておくことも大切です。
まず、住宅ローンは固定金利や変動金利など、複数の種類があります。自身や家族の収入状況、将来の見通しを考慮して最適なローンのタイプを選びましょう。さらに、支払い回数についても、長期で支払いを分散する場合と短期で完済する場合があります。支払い回数が多いほど月々の支払い額は減りますが、短期で完済することで総支払額を抑えることもできます。自身や家族のライフプランに合わせて、最適なローンの組み方と支払い回数を選択しましょう。
注文住宅での注意点
注文住宅での注意点について、様々なポイントがあります。
まず、設計段階での細かい打ち合わせが重要です。間取りや仕様、予算などを十分に検討し、後悔しないようにしましょう。また、建築会社や工務店の選定も慎重に行うことが必要です。実績や信頼性だけでなく、自分たちの理想に近いと感じるかどうかも重要です。
さらに、契約書や見積もりの確認も怠らずに行いましょう。細かな条件や工事内容、保証についても把握しておくことが大切です。工事中のコミュニケーションも欠かせません。現場の進捗状況や変更点など、適切なタイミングで確認しておくことがトラブルを避ける秘訣です。
そして、完成後のアフターサービスもしっかりとチェックしておきましょう。保証内容や定期点検の有無など、長い目で家づくりを考える上で重要なポイントです。注意深く進めることで、理想の注文住宅を実現できます。
スケジュール管理
家を建てるというプロジェクトは、多くの工程や納期が絡んでおり、計画通りに進むことはなかなかありません。
まずはじめに、建築会社や工務店との打ち合わせにおいて、概算で完成時期を決定します。その後、詳細なスケジュールを立てていきます。工事の進捗状況や天候などの影響によって、スケジュールは変更されることがあります。
また、自分たち自身が買い物や引っ越しの計画を立てる際も、工事の進捗具合を踏まえたスケジュールを立てる必要があります。コミュニケーションを取り、スケジュール変更に柔軟に対応できるようにしておきましょう。家づくりは期間が長い分、スケジュール管理がキーポイントとなります。計画的に進めることで、ストレスを最小限に抑えながら理想の住まいを実現しましょう。
予算オーバーに注意
予算オーバーの原因
ローン計画をしていない
予算オーバーの主な原因の1つ目は、注文住宅を建てるのに、どのくらいの資金が必要で、どのくらいのお金が住宅ローンで借りられるのかを知らないということです。注文住宅には「本体工事費用」「付帯工事費用」「諸費用」、土地購入からの場合は「土地代金」の費用がかかります。本体工事費だけで予算を組むと予算オーバーになりやすいため、注意が必要です。
優先順位を付けていない
注文住宅は自由度が高い分、希望を盛り込みすぎると見積もり金額も高くなってきます。土地、間取り、設備など、優先順位を明確にすることで実現できるところ、削るべきところが分かり、予算内で満足度の高い注文住宅を実現できます。
土地に予算をかけすぎている
土地の条件を優先してお金をかけすぎてしまうと、建物の費用が足りなくなってしまい予算オーバーにつながります。土地選びから家づくりを始める場合は、検討エリアの土地購入費用・建築費用の相場を把握。相場を把握しておけば、理想の暮らしを叶えるための土地・建物の費用バランスが分かりやすくなります。
住み始めてからの費用を把握していない
初期費用だけを考えて予算を立てると、予算を少なく見積もっている可能性があります。家は、建てた後にもお金がかかるもの。家づくりはトータルコストで考えましょう。初期費用が高くても、性能やアフターサービスの質が高ければ、住み始めてからのコストを抑えることができます。
信頼できる建築会社の選定
建築会社を選ぶ際には、信頼性や実績だけでなく、自分たちの理想に近いと感じるかどうかも重要です。まずは、気になるハウスメーカーや工務店の実績や評判をチェック。過去に手がけた住宅事例や顧客からのクチコミなどをチェックしてみましょう。次にモデルハウスや施工物件の見学会へ参加。実際にそこで建てた家を見学することで、仕上がりのクオリティや使い勝手を実感することができます。
また、見積もりだけでなく、アフターサービスの内容や保証制度、お客様の声なども重要な視点です。さらに、実際に打ち合わせを行う際には、スタッフの対応や提案力なども見てみましょう。長い期間を共にする建築会社との信頼関係は家づくりの成功において非常に重要な要素です。入念なリサーチと比較を行い、慎重に決断することがポイントです。
まとめ
いかがだったでしょうか?注文住宅は計画から家が完成するまでの間にさまざまな工程があり、あらかじめ流れを把握しておくことが大切です。
検討段階では、家族のライフスタイルや将来のことを考えながら具体的なイメージを膨らませましょう。そして、信頼できるハウスメーカーや工務店を選定し、打ち合わせを重ねながら細部まで決定していきます。工事中は定期的な現場チェックを行い、完成後には入居前のチェックも忘れずに。この流れをしっかり把握しておくことで、失敗のない満足できる注文住宅が手に入ります。
注文住宅を建てる際は、計画から完成までの流れをしっかり把握し、家族が笑顔で暮らせる理想の住まいを実現しましょう!