
目次1. レイズドベッドを、玄関からすぐの場所につくりました 2. 家庭菜園は、広さより“近さ”が大事 3. 興味を持つタイミングは、人それぞれ 4. 初心者にも、レイズドベッドは始めやすい 5. 木枠の材料は、バタ板でもプラスチック製の畔板でもいい |
レイズドベッドを、玄関からすぐの場所につくりました

設計担当の岡本です。
今回は、わが家の裏庭につくったレイズドベッドの話をしたいと思います。
レイズドベッドとは、木枠などで囲って、地面より少し高くした畑のことです。
野菜を育てるための畑ですが、木枠で区切ることで見た目も整いやすくなります。野菜やハーブ、花などを一緒に楽しむ「ポタジェ」のような考え方にも近いかもしれません。
わが家の場合、レイズドベッドをつくっているのは、庭の中心になるような場所ではありません。玄関からすぐ行ける、家の裏手のスペースです。
広さとしては10帖ほどありますが、大きな畑というより、暮らしの中で少しずつ野菜を育てる場所という感じです。
以前は、畑をもう少し離れた場所につくっていました。自転車小屋の裏の方です。
ただ、実際に暮らしてみると、少し遠いだけで思った以上に面倒でした。
水やりをするにも、ホースを伸ばして、また縮める。
道具を取りに行く。
草の様子を見に行く。
ちょっと収穫する。
そのひとつひとつが、少し遠いだけで手間になります。
そこで、畑をもっと家の近くに持ってきました。
暮らしてみて感じたのは、家庭菜園は広さも大事ですが、それ以上に「近さ」が大事だということです。
家庭菜園は、広さより“近さ”が大事
家庭菜園というと、広い畑を想像する方もいるかもしれません。
もちろん、広い畑があればいろいろ育てられます。
でも、普段の暮らしの中で使いやすいのは、家からすぐ行ける畑です。
たとえば、納豆を食べようと思ったときに「ネギが少しほしい」と思うことがあります。
味噌汁に少しネギを入れたい。
冷奴にシソをのせたい。
そういうとき、玄関からすぐ行ける場所や、掃き出し窓のそばに畑があれば、採って、洗って、そのまま食卓に出せます。
ミニトマトやオクラも同じです。
オクラは、1本の苗から1日おき、2日おきに少しずつ採れることがあります。大量に収穫するというより、帰ってきたときに2〜3本採る。食べる前に少しだけ採る。そういう使い方が、家庭菜園には合っていると思います。
シソも、たくさん収穫するというより、少しずつ使うことが多い野菜です。
せっかく戸建てに住むなら、野菜を採りに行くことを「手間」ではなく、「ちょっと楽しいこと」にできる距離に畑があるといいですね。
レイズドベッドを玄関からすぐ行ける場所や、掃き出し窓のそばにつくると、庭と食卓の距離がぐっと近くなります。
興味を持つタイミングは、人それぞれ
わが家には、小学生の子どもが2人います。
娘は、庭や畑の変化にけっこう気づいてくれます。
「お父さん、小松菜の芽が出てるよ」
「オクラに何かついてるよ」
そんなふうに教えてくれることがあります。
一方で、息子は今のところ、あまり関心がありません。
畑を見せても「ふーん」くらいで、そのあとすぐ漫画を読んでいたりします。
でも、昔の写真を見返していると、ちょっと面白い写真がありました。
今の家を建てる前、おばあちゃんの家の畑で撮った写真です。
サツマイモを収穫した畑で、子どもたちが電車ごっこをしています。
野菜を育てることに興味があったのかは分かりませんが、少なくともこの頃は、畑も子どもたちの遊び場だったんですね。

実は、私自身も昔は息子に近かった気がします。
親が庭や畑をしていても、たぶんそこまで興味はなかったと思います。ネギやオクラが植えてあっても、「へえ」くらいだったかもしれません。
それでも、自分で家を建てることを本気で考えはじめると、自然と庭や外構のことを考えるようになりました。
BBQをするなら、シソがあるといいな。
妻がよくミニトマトを買っているから、植えたら少し採れるかな。
娘がオクラを好きだから、植えてみようかな。
ネギは買うのが面倒だけど、植えておけば少し使えて便利だな。
そんなふうに、暮らしの中で少しずつ気づいていきました。
だから、子どもが今すぐ畑に興味を持たなくてもいいと思っています。
いつか興味を持つかもしれないし、ずっと興味がないかもしれません。それはそれでいいと思います。
ただ、子どもの頃に畑で遊んだことや、家のそばで野菜が育っていたこと。そういう何気ない経験が、いつか何かのきっかけになるかもしれません。
レイズドベッドは、野菜を育てるだけでなく、そんな小さな体験を家のそばにつくるものでもあると思います。
初心者にも、レイズドベッドは始めやすい
私は農家ではありません。家庭菜園も、あくまで暮らしの中で楽しんでいる素人です。
その立場で感じるのは、初心者にもレイズドベッドは始めやすいということです。
一番いいのは、枠があることです。
木枠があるだけで、「この中だけ手入れすればいい」と思えます。
草を抜くのも、その中だけ。
少し耕すのも、その中だけ。
土を足すのも、その中だけ。
家庭菜園を始めようとすると、どこまで手をかければいいのか分からなくなりがちです。
でも、レイズドベッドなら範囲がはっきりしています。
少し草を抜くだけでも、きれいになった感じが出ます。
少し土を触るだけでも、やった感じがあります。
小さな達成感を味わいやすい。
これは、続けるうえでけっこう大事だと思います。
わが家では、草や虫など、自然の力をできるだけ生かした野菜づくりにも興味があって、いろいろ試しています。
ただ、実際に家庭菜園をしてみて感じたのは、木枠で区切られていることの気楽さです。
「この中だけ手入れすればいい」と思えるだけで、ずいぶん気持ちが楽になります。
家庭菜園をこれから始める方にも、レイズドベッドは取り組みやすい方法だと思います。
木枠の材料は、バタ板でもプラスチック製の畔板でもいい

レイズドベッドの枠は、いろいろな作り方があります。
わが家ではカフェ板を使いましたが、今考えると、バタ板のようなラフな材料でも十分だったかなと思っています。
最初から高価な材料で、きっちり作り込みすぎなくてもいいんじゃないでしょうか。
ほかにも、プラスチック製の畔板のような土留め用の資材を使う方法もありますし、レイズドベッド用の既製品を使う方法もあります。
見た目を整えたい人。
できるだけ簡単につくりたい人。
長く使いたい人。
できるだけ安く始めたい人。
何を優先するかで、選ぶ材料は変わってきます。
私としては、家庭菜園の入口として考えるなら、まずは手に入りやすくて、無理なくつくれる材料で始めるのがいいと思っています。
ホームセンターで手に入る板でも十分です。私が見たときは、ホームセンターナンバで2mくらいの板が1,000円前後で売られていました。
価格は時期や店舗によって変わると思いますが、材料を工夫すれば、比較的始めやすいのもレイズドベッドの良さですね。
板を選ぶときは、屋外で使うことを前提に考えたいところです。
ちなみに、わが家で使ったカフェ板は、もともと床材としてつくられたものです。
今回はそれを立てて木枠に使っていますが、土に直接触れるため、腐食には注意が必要です。
どのくらい長持ちするのか、これから様子を見ていこうと思っています。
赤っぽい板の方が、比較的持ちが良い印象があります。とはいえ、木なのでいずれ傷みは出ます。
でも、それも含めて少しずつ直しながら使えばいいと思っています。
レイズドベッドは、家具のように完璧につくるものというより、暮らしながら手を入れていく小さな畑です。
最初から正解を決めすぎず、作りやすさ、見た目、予算、直しやすさのバランスで選べばいいと思います。
高さが出ると、水はけが良くなる

レイズドベッドの良さのひとつは、地面より少し高くなることです。
高さが出ることで、水はけが良くなります。
岡山・倉敷周辺でも、庭の土質によっては水がたまりやすかったり、粘土っぽかったりする場所があります。そういう場所で家庭菜園をしようとすると、土づくりが少し難しく感じることがあります。
レイズドベッドにすると、木枠の中に土を入れられるので、育てる野菜に合わせて土を調整しやすくなります。
地面より少し上がっているだけでも、水が抜けやすく、作業もしやすくなります。
本格的な畑をつくるとなると大変ですが、レイズドベッドなら「小さな畑をひとつ作る」くらいの感覚で始められます。
3m×1mくらいあれば、けっこう楽しめる
レイズドベッドは、最初から大きくつくりすぎなくてもいいと思います。
わが家で使いやすいと感じているのは、3m×1mくらいのサイズです。

このくらいの大きさがあれば、家庭菜園としてはけっこう楽しめます。
たとえば、
ミニトマト
シソ
オクラ
ピーマン
ネギ
ニンニク
このあたりを組み合わせるだけでも、十分に暮らしの中で使えます。
ミニトマトは子どもも採りやすいですし、シソやネギは少しだけ使いたいときに便利です。
オクラも、食べる分だけ少しずつ採れるのが家庭菜園に合っています。
最初から大きな畑をつくると、管理が大変になることもあります。
まずは3m×1mくらいで始めてみて、足りなければ少し広げる。
そのくらいの方が続けやすいと思います。
三角形のレイズドベッドも足してみました

わが家では、四角いレイズドベッドだけでなく、三角形のレイズドベッドも足しました。
そこでは、小松菜やルッコラなどを育てています。
レイズドベッドの面白いところは、形を自由に考えられるところです。
庭の形に合わせてもいいですし、通路との関係で三角形にしてもいい。
四角い畑だけが正解ではありません。
庭の中で、少し空いた場所に畑をつくる。
使ってみて、足りなければ足す。
違う形も試してみる。
そうやって少しずつ変えていけるのも、レイズドベッドの良さだと思います。
レイズドベッドは、庭に出るきっかけになる
レイズドベッドがあると、庭に出る理由ができます。
水をやる。
芽を見る。
草を抜く。
収穫する。
虫が来ているのを見る。
土を少し触る。
ひとつひとつは小さなことです。
でも、その小さなことが、暮らしの中で庭との距離を近くしてくれます。
家庭菜園というと、野菜をたくさん収穫することが目的のように思えるかもしれません。もちろん収穫できるとうれしいです。
でも、私はそれだけではないと思っています。
少し外に出る。
野菜の様子を見る。
昨日より葉が大きくなっていることに気づく。
子どもがミニトマトを採る。
ネギを少し切って納豆に入れる。
そういうことが、戸建てに住む楽しさにつながっていく気がします。
レイズドベッドは、ただの家庭菜園ではなく、庭を使うきっかけになる小さな仕掛けだと思っています。
庭と育つ家の、暮らしの続きとして
わが家の庭づくりや外構については、別のコラムでも詳しく書いています。
レイズドベッドも、雑木の庭も、芝生のスペースも、最初から完璧に完成していたわけではありません。
暮らしながら少しずつ考え、失敗もしながら育ててきました。
家は建物だけで完成するものではなく、庭や畑、外で過ごす時間まで含めて育っていくものだと思っています。
レイズドベッドも、その一部です。
大きな畑ではなくてもいい。
立派な庭でなくてもいい。
玄関からすぐ行ける場所に木枠の畑があるだけで、暮らしの中に少し楽しみが増えます。
岡山・倉敷で家づくりを考える方にも、建物だけでなく、庭や畑の使い方まで一緒に考えてもらえたらうれしいです。
そのあたりの考え方は、こちらのコラムでも書いています。
カスケの家「庭と育つ家」に、3年住んで。|雑木の庭と外構を考える家づくり
勝手にQ&A
Q. レイズドベッドは初心者でもできますか?
できます。むしろ初心者にも始めやすいと思います。枠があることで手入れする範囲がはっきりし、草抜きや土づくりもしやすくなります。
Q. レイズドベッドのサイズはどれくらいがいいですか?
最初は大きくとも3m×1mくらいでも十分楽しめます。ミニトマト、シソ、オクラ、ネギ、ピーマンなどを少しずつ育てるには使いやすい大きさです。
1m角くらいでも構いません。
Q. レイズドベッドはどこにつくるのがいいですか?
家からすぐ行ける場所がおすすめです。玄関からすぐの場所や、掃き出し窓のそばにあると、水やりや収穫がしやすく、日々の暮らしの中で使いやすくなります。
Q. 材料は何を使えばいいですか?
バタ板、カフェ板、プラスチック製の畔板、レイズドベッド用の既製品など、いろいろな選択肢があります。家庭菜園の入口として考えるなら、まずは手に入りやすく、無理なくつくれる材料で始めるのがいいと思います。
Q. レイズドベッドのメリットは何ですか?
管理する範囲が分かりやすいこと、水はけが良くなること、土を調整しやすいこと、そして庭に出るきっかけが増えることです。家庭菜園を暮らしの中に取り入れやすくなります。