長期優良住宅の補助金を徹底解説
今回は、長期優良住宅を建てる際に知っておきたい補助金制度について解説します。
長期優良住宅とは、何世代にもわたって住み続けられる住宅のことを指し、良質で、長く住み続けられる持続的な住宅を増やしていこう!という目的のもと、政府が推進している住宅のことを言います。
そのため、長期優良住宅を新しく建てる場合や、長期優良の仕様に家をリフォームする場合は、補助金が出るだけでなく、減税や住宅ローンの金利引き下げなどお得な制度がたくさんあります。
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長期優良住宅とは
長期優良住宅とは、将来にわたって快適な暮らしを実現するために、高い耐久性と安全性を備えた住宅のことです。
具体的には、耐震性や省エネ性能、バリアフリーなどの基準をクリアした住宅を指し、国の定める基準に適合した住宅を指します。これにより、住まいの価値を維持し、長期的に快適な住環境を実現することができます。
長期優良住宅は持続可能な社会を目指し、環境に配慮した性能を求められるため、長期的に見ると、住宅の維持管理やリフォームのコストも抑えられ、経済的にもメリットがあります。
長期優良住宅の認定基準
長期優良住宅の認定基準は、10項目。
建物の耐久性や省エネルギー性能など、さまざまな要素に基づいています。これらの基準をクリアすることで、住宅の品質が保証されるだけでなく、補助金を受けるための条件を満たすことも可能となります。
【2025年最新】長期優良住宅の新築に使える補助金制度
2025年の新築住宅の補助金は、「子育てグリーン住宅支援事業」が創設され、長期優良住宅も補助金対象となっています。また、より省エネ性能が高いGX志向型住宅は「160万円」は補助されるなど、制度が拡充されていますので要チェックです!
子育てグリーン住宅支援事業
子育てグリーン住宅支援事業は、2025年に新たに始まった省エネ住宅取得のための補助金制度です。この制度では、省エネ性能が高い住宅を新築・購入した世帯に対して国が補助金を支給します。
新築住宅では2024年に比べ、更なる省エネ住宅の補助金枠が設けられました。今まであった長期優良住宅やZEH水準よりも補助額の大きい「GX志向型住宅」では全ての世帯が対象で160万円もの補助金が受けられるようになりました。
※「GX志向型住宅」とは
省エネルギー性能の向上と再生可能エネルギーの活用を重視した次世代型の住宅のこと。
断熱性能の向上や効率的な設備の導入によりエネルギー消費を削減し、太陽光発電などの再生エネルギーを積極的に活用する仕組みが特徴です。
【補助額】
補助金額と対象者は住宅の性能によって大きく3種類に分かれます。
【補助金の対象要件】
対象住宅:
子育てグリーン住宅支援事業を利用するためには、住宅性能のほかに以下の要件を満たす必要があります。
- 床面積50〜240㎡の住宅
- 2024年11月22日以降に基礎工事より後の工程に着手する
- 交付申請までに事業者登録が必要
- 土砂災害特別警戒区域、災害危険区域等の住宅は対象外
対象者:
- すべての世帯
- 子育て世帯(申請時点で18歳未満の子どもがいる世帯)
【補助金の申請期限】
「子育てグリーン住宅支援事業」の申請受付は、2025年3月下旬から12月31日までの予定
太陽光発電等が必須となりますが、カスケの家では基本の断熱性能や省エネ除くエネルギー削減率に関しては標準仕様でクリアしているので、断熱材などの追加費用が発生することはありません!
ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)支援事業
ZEHとはわかりやすく言えば、電気代がかからない住宅のこと。住宅でつくったエネルギーの方が、1年間の住宅におけるエネルギー消費量、もしくは二酸化炭素排出量よりで多い、または、その差がゼロになることを目指す住宅をいいます。
例えば、太陽光発電を設置して電気をつくる(創エネ)、その電気を蓄電池に貯める(蓄エネ)、断熱性の高い窓にしてエアコンの使用量を減らす(省エネ)などのことです。
【補助額】
補助額は、新築戸建の場合、ZHE住宅で55万円/戸、ZHE+住宅で100万円/戸、蓄電システムなどを導入した場合20万円/などです。
【補助金の対象要件】
対象住宅:
ZEH、ZEH +化の基準を満たす住宅
参照記事:ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)支援事業の公式サイト
DR補助金
DR補助金は、電力需要のピーク抑制や、再生可能エネルギーの導入促進につながる蓄電池を対象とした補助金のこと。新築時に蓄電池を導入する際に使える補助金です。この補助金の主な目的は、再生可能エネルギーの導入促進と電力需給ひっ迫時にも活用できる電源を確保することです。
【補助額】
最大60万円
・蓄電池商品工事代の1/3
・初期実効容量1kWhあたり3.7万円
【補助金の対象要件】
- 一般社団法人 環境共創イニシアチブに事前に登録されている機器であること
- DR対応可能設備であること
- 蓄電池機器購入価格と工事費用の総額が、15.5万円/kWh以下であること
- DRに参加するため販売店登録された会社から蓄電システムを購入すること
- 補助金交付前に発注や契約を結んでいないこと
この制度は実証事業やモニタリングプログラムに参加することで、補助金を受け取れるところが特徴です。
給湯省エネ2025事業
給湯省エネ2025事業とは、エコキュート(ヒートポンプ給湯機)、ハイブリット給湯機、エネファーム(家庭用燃料電池)を導入する際、費用の一部を補助する事業です。
【補助額】
ヒートポンプ給湯機 6~13万円/台
ハイブリッド給湯器 8~15万円/台
家庭用燃料電池 16~20万円/台
補助金対象になる台数の上限は、戸建て住宅であれば2台までとなっています。
【補助金の対象要件】
- 事業者登録した業者からの申請であること
- 対象の高性能給湯器を導入すること
- 補助対象者が住宅の所有者であること
- 経済対策閣議決定日(2024年11月22日)以降に着手した工事であること
参照記事:高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金の概要
長期優良住宅のメリット・デメリット
長期優良住宅には、多くのメリットと若干のデメリットがあります。
詳しく見ていきましょう。
長期優良住宅のメリット
①長期にわたり安全かつ快適な暮らしができる
長期優良住宅の最大のメリットの一つは、耐震性と耐久性に優れている点です。国が定めた基準をクリアしているため、地震などの災害に対して強く、安心して長く住むことができます。
②減税が受けられる
長期優良住宅は国や地方自治体からの補助金や税制優遇が受けられることがあります。これにより、初期投資の負担が軽減されます。
③住宅ローン金利が引き下げられる
長期優良住宅では、長期固定金利の住宅ローン「フラット35」を組む場合、金利引き下げ措置が適用されます。
④地震保険料が割引きされる
長期優良住宅の認定を受け、所定の書類を保険会社に提出することで地震保険料の割引きが受けられます。
例えば、耐震等級2なら30%、耐震等級3なら50%の割引率が適用。免震建築物では50%の割引きが受けられます。
⑤補助金制度を受けられる
長期優良住宅は以下の3つの補助金を活用できます。
- 子育てグリーン住宅支援事業
- DR補助金
- ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)支援事業
長期優良住宅のデメリット
①申請に費用がかかる
長期優良住宅制度を申請するときには、認定申請書や複数の添付書類が必要です。このため、書類作成費や申手数料にが別途がかかるケースが一般的です。
この費用は工務店によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
②建築コストが割高になる
長期優良住宅は、高い品質基準を満たすため、建築費用が一般的な住宅に比べて高くなる可能性があります。
依頼する工務店の標準仕様が長期優良住宅の基準に満たさない場合は、追加工事などで費用が増加します。
家づくりを検討する際には、この点を予算に織り込む必要があります。
③メンテナンス履歴の作成・保存が必要
長期優良住宅の認定基準には、維持管理計画の作成も含まれていて、メンテナンスを怠れば認定が取り消される場合があります。
ただ、長期優良住宅認定制度は、『孫の代まで住める家を建てる』というのが基本的な考え方です。せっかく高性能な家を建てても、メンテナンスをしないと性能は落ちますし美観も損ねます。
メンテナンスには費用や手間がかかりますが、安心して快適に住み続けることを考えるとデメリットにはならないと思います。
長期優良住宅認定の手続き
長期優良住宅の申請は、注文住宅では建築主が施工会社を通して行うのが一般的です。
申請のタイミングは「着工する前」で、長期優良住宅建築等計画を作成して、自治体に提出します。
申請の流れ
- 建築・維持保全に関する計画の作成
- 登録住宅性能評価機関に技術的審査依頼
- 審査
- 適合証の受領
- 所轄行政庁への認定申請
- 着工
- 審査
- 認定通知書の受領
- 工事完工報告
- 所轄行政庁による受理、認定
書類の作成やさまざまな手続きが必要となるため、申請に慣れている工務店を選ぶことが大切です。
トラブルを避けるためにも、信用できる施工会社を選びましょう。
申請に必要な書類
長期優良住宅の手続きには「認定申請書」「設計内容説明書」「配置図」「各種図面」「各種計算書」などが必要になります。
補助金活用の注意点
補助金を活用する際には、他の補助金との併用の可否、申請前に対象条件、必要書類などをしっかり確認しておくことが大切です。
他の補助金との併用可否
補助金の活用ですが、国土交通省・経済産業省など国が運営するものは基本的に併用できません。仮に2つ以上の補助金の申請基準を満たしていても、両方申し込むこちはできません。
もし基準を満たす補助金が複数ある場合は、補助金額などの条件の良いものを選びましょう。
ただし県や市区町村などの自治体独自の補助金は、併用できることもあります。また補助金と減税制度は併用できることが多いので事前に確認しておきましょう。
申請前に確認すべきポイント
①補助金の条件を満たしているか
何よりも重要なのは、対象となる補助金の条件を把握することです。ご自身や施工会社が条件を満たせるか事前の確認が大切です。
補助金の対象要件を良く確認せず家づくりを進めてしまうと、契約後に補助金が活用できないことが発覚する可能性も。
補助金を使いたい旨を、早めに施工会社に伝えるようにしましょう。
②申請に必要な書類の確認
手続きや必要書類に不備があると、補助金支給が遅れたり受け取れなくなったりする可能性もあります。補助金の申請手続きは施工会社が行うことが多いですが、ご自身で用意する書類などを漏れなくそろえるようにしましょう。
③補助金は後から支給される
ほとんどの補助金はお家が完成した後に支給されるため、一度費用を全額支払う必要がある点も注意が必要です。
補助金の額を含んで資金計画を立ててしまうと、支払いの段階で慌ててしまう可能性があります。
また補助金がどのように支給されるかも事前に確認しておくと安心です。
まとめ
今回は長期優良住宅や新築を建てる際に活用できる補助金について解説しました。補助金を上手に活用すれば建築費用を抑えることができ、高性能なマイホームを実現できます。
ただし、補助金は予算の上限に達すると締め切られてしまうので、家づくりを検討されている方は早めに工務店やハウスメーカーに相談することをおすすめします。
また、補助金の種類や受付状況は変わることがあるため、最新情報は住宅のプロに聞いてみましょう。
カスケの家でも、ご相談いただけますので、岡山・倉敷で家づくりを検討されている方は、お気軽にご相談ください。