こんにちは、設計部の國生です!
本日は、ガルバリウム鋼板についてお話ししようと思います!
カスケの家では、外壁材の標準品としてガルバリウム鋼板を採用しています。
ガルバリウム鋼板とは何なのか。
ガルバリウムとは、1972年にアメリカのベスレヘム・スチール社で開発されたアルミニウム・亜鉛合金めっき鋼板の名称です。
「アルミニウム」と「亜鉛」の合金を「めっき」した「鋼板」です。
「鋼板」という鉄を主原料とした板状の材料です。
その「鋼板」に別の金属を「めっき」することで「めっき鋼板」の完成です。
どんな金属を「めっき」するかで違うものになります。
アルミニウムと亜鉛の合金めっき鋼板を『ガルバリウム鋼板』というのに対し、亜鉛だけをめっきすると『トタン板』になります。
スズを「めっき」すると『ブリキ』になります。
『トタン板』や『ブリキ』というのは聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
トタン板に関してはガルバリウム鋼板と同じように、屋根材や壁材としても使用されています。
諸説ありますが、トタン板は西暦1800年代後半から使用されているようです。
現在でも使用している住宅や工場などがたくさんあると思います。
ただ、今現在目に入るトタン板は劣化して錆びているものが多いように思います。
『トタン板』は亜鉛をめっきしています。
亜鉛は鉄よりも錆びやすい性質を持ちます。
鉄より錆びやすい金属をめっきしても意味ないじゃん!と思う方もいるかもしれませんが、ここがめっき鋼板の面白いところです。
例えば、傷がついてしまって鉄の部分が出てきてしまったとします。
鉄が錆びちゃう!と思うかもしれませんが、ここで亜鉛が登場します。
鉄が錆びるよりも先に亜鉛が錆びていくので、鉄が錆びるまでの時間を稼ぐようなイメージです。
これを「犠牲防食」といいます。
ちなみに、『ブリキ』にめっきされているスズは鉄より錆びにくいものなので、錆びにくい性質にはなるのですが、キズが付いたりした場合はスズよりも鉄が先に錆びてしまいます。
そのため『ブリキ』は傷のつきやすい屋根や外壁には向いてないようですね。
そして『トタン』と『ブリキ』の良いとこ取りをしたのが、『ガルバリウム鋼板』です。
トタンの説明で書いたように、亜鉛は鉄より錆びやすい金属です。
また、アルミニウムは鉄より錆びにくい金属です。
その二つの合金をめっきすることでできるのが『ガルバリウム鋼板』です。
アルミニウムにより外部からの錆びを守りつつ、キズが付いた時には亜鉛が鉄の犠牲になり、なんとしてでも鉄を守ろうという強い意思を感じます。
ちなみに、うまいこと鉄を守れる合金比率がアルミニウム55%、亜鉛43.4%、ケイ素(シリコン)1.6%だそうです。
この比率を見つけ出せるのすごいですね、めちゃくちゃ尊敬します。
ということで、本日はカスケの家で屋根と外壁の標準になっているガルバリウム鋼板について書いてみました。
良い素材を標準仕様にしているんだなと改めて感じました!
※念のため付け加えておきますが、今回のブログではわかりやすいように『錆びやすい』『錆びにくい』という言葉を使いましたが、正しく言うと『イオン化傾向が高い』『イオン化傾向が低い』と言います。
※イオン化傾向が高いほど腐食しやすく錆びやすい、イオン化傾向が低いほど腐食しにくく錆びにくい、ということになります。
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