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「高気密・高断熱」って必要? デメリットから見える、全館空調とのベストマッチな理由

2022/03/31(木) 家づくりのこと

 

contents目次

1. 高気密・高断熱とは

2. 高気密・高断熱は住宅省エネ基準の評価対象のひとつ

 2-1 省エネ基準について

 2-2 断熱性能は数値で表すことができる

 2-3 光熱費はどれぐらい減らせるの?

3. 高気密・高断熱住宅の基準はどこまで目指す?

4 .高気密・高断熱住宅のデメリット

 4-1 換気の問題について

 4-2 施工の問題について

 4-3 施工の問題に備える方法

5. デメリットから見える、高気密・高断熱住宅と全館空調がベストマッチな理由

 5-1 工務店選びのひとつの指針として

6. まとめ

 

高気密・高断熱とは

 【高気密】=建物の床・壁・天井の隙間をできるだけ小さく、つまり換気扇の給気や排気以外のところから空気が入りにくくすること

 【高断熱】=建物の中の温度を保つために断熱材の性能を強化したもの

 

高気密・高断熱は住宅省エネ基準の評価対象のひとつ

 

省エネ基準について

住宅省エネ基準を評価方法として、屋根・天井・外壁・床へ使う断熱材の性能と窓の性能(外皮性能基準)

住宅で使用する水道・電力・ガスなどのエネルギー消費量の基準(一次エネルギー消費量)

断熱性能は数値で表すことができる

建物の断熱材で覆われている部分のことを「外皮」といい、外気温に触れている屋根・天井・床・壁・窓のことを指します。

この外皮の性能値を測るものとして、外皮平均熱貫流率「Ua値」と呼ばれています。

このUa値の数値が低ければ低いほど断熱性能が良いということになります。

光熱費はどれぐらい減らせるの?

一般的に光熱費は、使ったエネルギーにかかる金額になりますので、一次消費エネルギーの量を計算した差によってわかるようになります。

例えば、国が高額の補助金を出す「認定低炭素住宅」や「ZEH(ゼロエネルギーハウス)」は、平成11年に改正された時点の省エネ基準からなる住宅で一次消費エネルギー量から20%以上改善された住宅のことを指します。

おおよその数値にはなりますが、昭和55年基準(土壁の家)に比べ温暖地においては年間で約6万円以上の節約になります。

 

高気密・高断熱住宅の基準はどこまで目指す?

断熱性能を表すUA値には地域によって基準が設けられており、その中でも「2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会」という民間団体「HEAT20」が定めた基準値が「G1〜G3」まであり、コストレベルに応じてバランスの取れた数値を設定しています。

 

高気密(C値)には目指すべき明確な基準値はありませんでした。高気密化には高い技術力が必要なため、大手ハウスメーカーや工務店が積極的に導入したがらないということが挙げられます。

基準がないからといって全く無視をしたのではいけません。高断熱の家には必ず高気密でないといけません。

カスケホームではC値0.5(±0.2)を標準としています。高断熱でありながら高気密ではない住宅は壁の中の見えないところで思わぬ不具合を起こします。

 

高気密・高断熱住宅のデメリット

精度の高い高気密高断熱には省エネによる経済的メリット、室内の温度差を少なくし健康面でのメリットがありますが、当然ながら否定的な意見もあります。クチコミなどで見かけるデメリットをまとめてみました。

 

換気の問題について

住宅に用いられる換気は、建材などに使用される接着剤に含まれるホルムアルデヒドや、臭気、火器使用による一酸化炭素中毒防止のために建築基準法で24時間換気するよう換気量計算が義務化されています。

換気方法の種類としては「機械給気、機械排気」を第一種換気と言い、「機械給気、自然排気」を第二種換気と言い、「自然給気、機械排気」を第三種換気と言います。住宅の多くは設備コスト、電力も安い第三種換気を用いる会社が多いです。

住宅については1時間あたりの家の容積の半分が換気されるように計算しなければいけません。

第一種は換気効率が良いですが給気も排気も機械のため消費電力や設備費がその分高くなります。

第二種は給気側が機械なので換気扇の設置位置をよく検討しないと汚染空気が他の居室へ圧送されてしまう恐れがある為、注意が必要です。

第三種は排気側が機械式のため居室に入った屋外の新鮮空気は汚染されやすい水廻り側で排気するため汚染空気の排出に適しています。また、排気に用いられるパイプファンは非常に安価です。

近年では第一種換気システムの採用が増えてきました。ただ、第一種換気システムを使えばそれが正しいというものではなく、それぞれの住宅に合わせた検討の上で採用しなければいけません。

第一種換気の代表例としては「ダクト式熱交換換気システム」があります。熱交換は室内に取り込む空気と屋外へ排出する空気を間接的に触れさせ、室内へ取り込む空気を室内温度に近い状態で取り入れることができるため室内温度の損失を低減できるというメリットがあります。これらの合理的なメリットがあるため採用する会社が増えていますが、デメリットはあまり気にされていません。熱交換部分に湿度も取り込める「潜熱」での熱交換システムがありますが、湿度の分子の大きさと人体が排出するCO2の分子がほぼ等しいため、湿度を回収すると同時に汚染された空気も取り込んでしまっているという状態になります。

また、熱交換する部分は温度の異なる空気が間接的ではあるものの触れ合う形になるため、熱交換素紙内部で結露やカビを発生させる恐れがあるので、こまめなメンテナンスが必要になります。全熱交換型の換気システムは高価ということもあり、より安価な「ダクトレス」と呼ばれる第一種換気が登場しました。汚染空気の強制換気モードがありますが、通常運転は約70秒おきにモーターが回転の向きを変え、室内の空気を右へ左へ動かし、室内の結露を防ぐというもので、換気扇内部にある蓄熱体によって出入りする空気を室内温度に近づける効果を持ちます。

この通常運転モードは室内の臭気などを排出しにくいため、時折強制排気運転に切り替える必要があります。

 

施工の問題について

換気の理想的な運転には漏気を少なくする必要があるため高気密化は必須となります。高気密化した場合の注意点としてよく挙げられるのがレンジフードの運転時の換気の逆流です。レンジフードの排気量は24時間換気の能力よりも高いため、排出されるべき汚染空気まで引っ張ってしまいます。また、家全体が負圧になるため玄関ドアが重くなる、引き違いサッシなどが室内側に引っ張られ気密を保っているパッキンが離れ、サッシから漏気してしまうなどのリスクがあります。

高気密化することによって起こるリスクを把握する必要があります。

 

施工の問題に備える方法

これらのデメリットを解決するためには排気と同時に一時的に給気させる「同時給排気型レンジフード」を採用します。

また、住宅全体が負圧になると反応してダンパーが開く「差圧式給気ダンパー」というものがあります。

屋外からの新鮮な空気を効率よく取り込むためにこう気密化のデメリットを確実に把握する必要があります。

 

 

デメリットから見える、高気密・高断熱住宅と全館空調がベストマッチな理由

住宅の高性能化によって全館空調という技術が可能になり、より少ない熱源で住宅全体を空調することができるようになりましたが、外気の漏気が多ければ全館空調を持ってしても快適な室内環境は難しいと言えます。やはり高断熱には高気密が必須です。これらがきちんとできて全館空調はその効果を発揮します。

 

工務店選びのひとつの指針として

高気密化も浸透しつつはありますが、全棟気密測定を行なっている会社はまだまだ少数派です。全館空調を採用している会社の平均的な実測C値を確認しましょう。実測C値0.5以下の会社であれば全館空調は効果はあると思いますが、C値が1.0前後や全棟気密測定していない会社は難しいのではと思います。

もう一つ着目したいポイントとしては、壁体内に防湿層を設けているかどうかです。防湿層を設けると夏季はジメジメした室内の湿気は除湿運転によって排出することができ、冬季は人体に温度を伝える湿気を室内へ保持することができます。湿度もエネルギーです。このように湿度コントロールが可能な施工をされた住宅であれば全館空調を最大限活かすことができます。

「防湿層がなくても暖かい涼しい」という声もありますが、矛盾点を多くはらんでいる可能性がありますのでご注意ください。

 

まとめ

換気システムはメリットだけでなはくデメリットも考慮して、その住宅に適した換気システムを導入することが必要。

高断熱には必ず高気密化が必要です。これを怠ると事故が起こります。また、全館空調には高いレベルでの高気密高断熱が必要です。全館空調には最低でもHEAT20 G2レベルでC値0.5以下の能力を持つ住宅でなければいけません。

それらを可能にできるかどうかはその会社の姿勢、全棟気密測定を行なっているかどうかを確かめる必要かあります。

 

 

 

この記事を書いたスタッフのプロフィール 

 

設計 山田真司

広島県福山市出身。昭和53年生まれ。二級建築士。工務、多能工経歴を持つ現場に精通した設計士として唯一無二の存在。中学校時代に自分の家を設計、施工したいと思ったことがきっかけで建築士を目指す。その思いを叶え、自邸を設計、工務も担当。その経験をカスケの家でお客様の家づくりの活かすことを心掛けている。

 

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