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パッシブ設計とは何か?5つの要素とパッシブ設計のメリットデメリットを解説

2023/07/08(土) 家づくりのこと

contents

1. パッシブ設計とは?

 1-1 パッシブの設計手法とアクティブ設計の手法

2. パッシブ設計の5つの要素

 2-1 断熱・気密

 2-2 自然風利用

 2-3 昼光利用

 2-4 日射熱利用暖房

 2-5 日射遮蔽

3. 夏と冬のパッシブ設計

 3-1 冬のパッシブ設計:冬暖かい住まいを実現するには

 3-2 夏のパッシブ設計:夏涼しい住まいを実現するには

4. 理想的なパッシブ設計による間取りとは

5. パッシブ設計のメリット・デメリット

 5-1 パッシブ設計のメリット

 5-1-1 電気代を節約できる

 5-1-2 健康的なライフスタイルが手に入る

 5-1-3 日本ならではの四季を楽しむことができる

 5-2 パッシブ設計のデメリット

 5-2-1 敷地条件や周辺環境によって自然エネルギーを生かしきれないことがある

 5-2-2 初期費用が高くなる場合がある

 5-2-3 パッシブ設計の実績のない会社だと失敗してしまうかも?!

6. パッシブデザインとの違いについて

7. パッシブ設計で建てた建築事例5選

 7-1 視線が緩やかにつながる空間 片流れ屋根の平屋

 7-2 吹抜けから太陽の暖かさを得る家

 7-3 家事ラク動線で暮らしを快適に 自然素材の優しい家

 7-4 1年中快適が続く「年中春のような住まい」の家 

 7-5 吹き抜けを活かした明るい家

8. まとめ

9. カスケの家のパッシブ設計を体感しませんか?

パッシブ設計とは?

パッシブ設計とは太陽光や熱、自然風などの自然エネルギーをうまく利用して、心地よく快適に暮らすことができる設計手法のことです。自然エネルギーを利用するので地球環境にも優しく、省エネルギー化することができる設計手法なので、今注目されています。

パッシブ設計の手法とアクティブ設計の手法

パッシブ設計の「パッシブ」には受け身・受動的という意味合いがあり、上記のように自然の力を利用した設計手法です。具体的な手法としては、家の断熱性・気密性を高めること、自然風を家に取り入れること、太陽光を家の中に取り入れること、太陽光からの日射熱を家に取り入れること、夏の強い日差しを遮蔽することなどがあります。

アクティブ設計の「アクティブ」には活動的という意味合いがあり、エアコンなどの空調設備や給湯機などを効率的に組み合わせ消費エネルギーを抑える設計手法です。近年ではHome Energy Management System(ホーム エネルギー マネジメント システム)の略称HEMS(ヘムズ)という家庭で使うエネルギーを節約するための管理をしてくれるシステム・機械を使って消費エネルギーをコントロールすることが増えてきています。

パッシブ設計の5つの要素

断熱・気密

断熱性能・気密性能を高めることは家全体の保温性能を向上させるので、パッシブ設計だけではなく様々な面でメリットを与えてくれます。なので逆に一定の断熱性能・気密性能が確保できていない場合のデメリットがとても大きいです。カスケの家での家づくりでも最も重要にしているポイントの一つです。ちなみに断熱性能を示すUA値は岡山県では0.87以下と省エネルギーの基準があり、気密性能は基準値はありませんが一般的には1.0以下であれば高気密住宅と言われています。

自然風利用

パッシブ設計には自然エネルギーを取り入れ快適性を高める手法ですが、自然風利用では特に自然な快適性を感じることができます。夏期には人は低温の風を感じると涼しさを感じることができます。山や高原などにいった時、自然の風が当たると心地いいですよね。そういった効果を自然風利用することで快適性を高めることができます。

また夏期などに家の中に溜まった熱を、自然風利用で外に逃がすことができます。季節によって風の強弱の差はありますが、空調設備を使用することなく自然エネルギーを使って室内の不快な熱を逃がすことができるので、とても省エネルギーな手法です。注意すべき点は、排熱を期待して自然風利用を計画する際には、風の入口と出口が必要になるので、2ヵ所以上開口(窓やドア)をつける必要があります。

昼光利用

自然エネルギーをうまく利用するというパッシブ設計では光をうまく取り入れる手法もあります。昼間に電気エネルギー使って照明器具をを点けなくても過ごせるように、自然の恵みである自然光=昼光をうまく家に取り込み快適な明るさを実現させることができるので、省エネ性と快適性を向上させることができます。また吹抜に昼光を取り込み壁面を照らすことで、視覚的に広範囲を明るく過ごしやすい空間にすることができます。注意点としては、隣家や方角などの敷地環境によって昼光利用できる場所が限定される場合がありますので、敷地調査や日当たりシミュレーションが非常に大事になってきます。

日射熱利用暖房

日射熱利用暖房とは、冬期に日射熱を室内に取り込み暖房に使うという設計手法です。重要なのが、日射熱を取り込む集熱、取り込んだ日射熱を逃がさないための断熱、取り込んだ日射熱を蓄えておく蓄熱の3つの設計をしっかり考えることです。なぜこの3つがセットなのかというと、「日中の熱を取り込み、蓄える」→「夜に室温低下するとともに蓄えられた熱が放出される」という一日の熱の動きが一連になっているためです。なので、この3つが高いレベルで実現することができれば、省エネルギー性と快適性がとても高い住宅ということになります。

日射遮蔽

日射遮蔽は夏期における暑い日差しを室内に入れないように南面に軒や庇を取り付ける快適と省エネを実現させるための昔からある基本的な手法です。断熱性能は近年でかなり注目されるようになってきましたが、日射遮蔽については意外と理解されている方が少ない傾向にあります。最近できたと思われる綺麗なお家の南面にある大きな窓に太陽光が全面に当たっているお家はたくさんあります。確かに冬場は日射熱が入り暖かく過ごすことができますが、最近の夏の暑さ+高断熱となると、日射熱が室内に溜まり室内の気温が少しずつ上がっていってしまいます。そうならないように、パッシブ設計では日射遮蔽も重要な要素の一つになっています。

夏と冬のパッシブ設計

冬のパッシブ設計:冬暖かい住まいを実現するには

冬は家から逃げる熱を少なくすることが最重要ポイントになります。家から逃げる熱を少なくするには家の断熱性能を高めて、隙間風が入ってこないように気密性を高めることが大事です(=高気密高断熱住宅)。

次はできるだけ太陽の熱を取り入れることが重要になってきます。一年を通して日射が期待できそうな場所に、家族が集うリビングを配置し、リビングに取り付けるサッシ(窓)は日射熱を取り込む断熱ガラスを採用することで、より暖かく快適なお家にすることができます。

夏のパッシブ設計:夏涼しい住まいを実現するには

夏は家に強い日差しを入れないように日射遮蔽をすることが最重要ポイントになります。なぜかというと、高断熱住宅は熱が逃げにくいので、日射熱が入ってしまうと家が暖まって、暑くなってしまうからです。そうならないためには、南面のサッシ(窓)には深い軒や庇を計画・取り付けることをオススメします。アナログな手法ではありますが、この方法が一番効果的に日射を遮ることができます。さらに日射遮蔽する場合は、アウターシェードやブラインドを設置すると、日除け効果を高めることができます。

次は自然風を取り込むことが重要です。家族が集まり長い時間過ごすことが多いリビングは様々な方向の風を取り込むことができるように、できるだけ多くの方向からの風を取り込むことが大事です。注意しておくべき点は、夏の自然風を取り込む場合、外気に含まれる水蒸気を一緒に取り込むことになるので、室内の湿度が上昇してしまったり、エアコンや除湿器などの除湿効果が低くなってしまうことがあげられます。

理想的なパッシブ設計による間取り・ポイントとは

断熱・気密:岡山県であれば、UA値0.46以下(G2等級)、C値0.5以下を目指す

自然風利用:LDKや寝室などの居室にはできるだけ窓を2方向に設け、風の通り道を作る

昼光利用:南面の日射が入ってくる場所に窓を設けて、室内に自然光を取り入れる(吹抜を設けるとより良い)

日射熱利用暖房:南面の窓ガラスを断熱仕様のものにする

日射遮蔽:南面の窓には必ず軒もしくは庇を計画する

パッシブ設計のメリット・デメリット

パッシブ設計のメリット

電気代を節約できる

パッシブ設計でお家を建てると、冬は暖かく夏は涼しくなり、昼光利用によって室内は明るくなります。なので、一年を通してエアコンなどの空調設備や照明器具の使用頻度が少なくなります。そうすると電気を使うことが少なくなるので、日々の電気代の節約につながります。

健康的なライフスタイルが手に入る

パッシブ設計では自然エネルギーを取り入れる設計手法なので、逆にいうと機械や電気など人工的なものに頼ることが少なくなり、太陽の光を感じたり、風の流れで快適さを得ることができるので、健康的で快適な暮らしを送ることができます。

日本ならではの四季を楽しむことができる

パッシブ設計のお家では、冬期は日射熱を取り入れ夏期は日射遮蔽し、年中昼光利用するので、一年を通して四季や気候の変化を感じることができます。例えば、夏期の昼光は眩しく鋭い光、冬期の昼光は優しく柔らかい光なので、その季節を感じながら暮らすことができます。

パッシブ設計のデメリット

敷地条件や周辺環境によって自然エネルギーを生かしきれないことがある

敷地によっては隣家や植栽などによって窓に十分な日差しが入らなかったり、土地によっては自然風がうまく室内に取り込めないことがあります。またパッシブ設計が実際にバランスよくいかされるかどうかは住宅性能だけでなく、その場所にある自然エネルギーの量や天候や環境によって変わってきます。

初期費用が高くなる場合がある

パッシブ設計では断熱・気密を高めるために、断熱材を高性能なものにしたり気密工事を行ったりと、吹抜・軒・庇などを計画したりと、どれも光熱費を抑えることのできる要素ではありますが、当然建築時に工事費用がかかってきます。パッシブ設計に必要なものは極端にメンテナンスが必要なものや壊れやすいものはないので、長期的に快適な住まいを実現することができますが、どうしても初期費用は掛かってきます。

パッシブ設計の実績のない会社だと失敗してしまうかも?!

パッシブ設計には日当たり、風向き、住宅性能など様々な専門知識が必要な設計手法なので、実績のない会社を選ぶのはよく検討してから決めることをオススメします。家の間取りを考えること自体も専門的な知識が必要ですが、パッシブ設計の家を設計する際には、それにプラスして日当たりなどの自然環境を考慮しながらプランニングするようになるので、通常の住宅設計の実績やスキルだけで実現することはかなり難しいと言われています。

パッシブデザインとの違いについて

パッシブデザインとパッシブ設計は、建築やエネルギー効率に関する手法や考え方ですが、少し意味が異なります。

パッシブデザインとは、住宅設計の過程で自然エネルギーを効果的に取り入れるデザインの原則や考え方の組み合わせのことです。具体的には断熱材の選んだり、窓や自然風利用の計画など、さまざまな要素を考慮して、敷地環境からの自然エネルギーや気候を最大限に活用することを意味していて、消費エネルギーを最小限に抑え、快適性を向上させることを目指す設計デザインです。

一方、パッシブ設計とは、住宅設計の要素や機能を指します。例えば、太陽光を取り込むための窓の配置やアウターシェードの設置、自然風利用を促進するための窓やドアの配置、適切な断熱材の選定などがパッシブ設計の要素の一部ということになります。

パッシブ設計で建てた建築事例5選

視線が緩やかにつながる空間 片流れ屋根の平屋

▶福山市F様邸の事例を見る

吹抜けから太陽の暖かさを得る家

▶倉敷市K様邸の事例を見る

家事ラク動線で暮らしを快適に 自然素材の優しい家

▶倉敷市N様邸の事例を見る

1年中快適が続く「年中春のような住まい」の家

▶Eaves Order モデルハウスを見る

吹き抜けを活かした明るい家

▶Eaves Box モデルハウスを見る

まとめ

・パッシブ設計とは、太陽光や熱、自然風などの自然エネルギーをうまく利用して、心地よく快適に暮らすことができる設計手法のこと

・パッシブ設計の5つの要素と設計ポイント

 ①断熱・気密:UA値0.46以下(G2等級)、C値0.5以下に

 ②自然風利用:居室にはできるだけ窓を2方向に設ける

 ③昼光利用:南面の日射が入ってくる場所に窓を設け、室内に自然光を取り入れる(吹抜を設けるとより効果的)

 ④日射熱利用暖房:南面の窓ガラスを断熱仕様のものにする

 ⑤日射遮蔽:南面の窓には必ず軒もしくは庇を計画する

・パッシブ設計のメリット

 ①電気代を節約できる

 ②健康的なライフスタイルが手に入る

 ③日本ならではの四季を楽しむことができる

・パッシブ設計のデメリット

 ①敷地条件や土地の周辺環境によって自然エネルギーを生かしきれないことがある

 ②初期費用が高くなる場合がある

 ③パッシブ設計の実績のない会社だと失敗してしまうかも?!

今回はパッシブ設計についてお話しましたが、いかがだったでしょうか?パッシブ設計の家は、自然エネルギーを上手に取り込み省エネルギーで、なおかつ快適に過ごすことができます。近年では光熱費や物価の高騰から、いつも通りの生活では経済的に将来の不安を感じる方もいらっしゃると思います。そんな今、家づくりを考えられている方には、省エネルギーで健康にもお財布にも優しいパッシブ設計の住宅がオススメです!

カスケの家のパッシブ設計を体感しませんか?

今回はパッシブ設計についてお話しましたが、あくまで設計手法やポイントをお伝えしたまでです。パッシブ設計で一番理解が深まり良さを知るには、実際に体感してみないとわかりません。逆にいうと、パッシブ設計は自然エネルギーを使った省エネルギーな設計手法という大枠しかわからなくても、体感すると感覚的に良さを感じることができます。

パッシブ設計の建築事例でご紹介した内の「1年中快適が続く「年中春のような住まい」の家」と「吹き抜けを活かした明るい家」の2邸はカスケの家のモデルハウスになっています。随時見学のご予約を承っておりますので、ぜひご興味のある方は弊社までご連絡ください。

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