建部 綾香 ◇◇◇

リノベーションと建て替え、どっちが得なのか費用の比較をしてみました

2024/10/21(月) 家づくりのこと

家の老朽化が目立ってきた、設備が古くなって使いにくい、家族構成が変わったなどの理由で家づくりを検討する場合、選択肢に挙がるのが「リノベーション」か「建て替え」ではないでしょうか。

どちらも住みにくさを改善し、最新の設備や好みのデザインを取り入れられる方法ですが、「自分の家はどちらが向いているんだろう・・・」と悩む方もいらっしゃるでしょう。

今回は、リノベーションと建て替えの工事費用や工期の違いや、どちらにするか判断する際の基準、メリット・デメリット、施工事例をご紹介します。

contents

1. 「リノベーション」と「建て替え」の違い

2. リノベーションするメリット・デメリット

 2-1 リノベーションをするメリット

 2-2 リノベーションのデメリット

3. 建て替えするメリット・デメリット

 3-1 建て替えのメリット

 3-2 建て替えのデメリット

4. 【第3の選択肢】性能向上リノベーションとは

5. リノベーションと建て替えを比較してみよう

6. あなたは「リノベーション」と「建て替え」どっち?

7. 戸建てのリノベーション事例を紹介

 7-1 岡山市Fさま邸リノベーション事例

 7-1 倉敷市Kさま邸リノベーション事例

8. 戸建ての建て替え事例を紹介

 8-1 笠岡市Nさま邸建て替え事例

 8-1 倉敷市Nさま邸建て替え事例

9. 戸建ての性能向上リノベーション事例を紹介

 9-1 倉敷市Tさま邸性能向上リノベーション事例

10. 【まとめ】暮らし方に合わせた選択肢を検討しよう

 

「リノベーション」と「建て替え」の違い

まずは、リノベーションと建て替えの違いを把握しておきましょう!

リノベーションとは?

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既存の建物

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解体(柱や基礎はそのまま)

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完成

リノベーションとは、実家や中古物件など既に建っている家の柱や基礎の部分は残したまま、部分的に改修することをいいます。

水まわり設備の入れ替えや内外装の改装から、大幅な間取り変更や増築を行うといった大規模なものまで含みます。

リフォームとリノベーションも似ていますが、リフォームが原状回復を目的した工事なら、リノベーションは今よりもさらに住みやすい環境を目指すために行う工事と言えます。

リノベーションを行うことで、今のライフスタイルに合った住まいにリニューアルすることができます。

 

建て替えとは

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既存の建物

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解体(一度更地の状態へ)

完成

建て替えとは、今建っている建物を解体して更地にし、同じ場所に新しい家を建てることです。

更地に新築を建てるのとは異なり、最初に古い建物を解体しなければなりません。「旧居の解体撤去+新居の新築」が建て替えと考えていただくと、わかりやすいのではないでしょうか。

これまで長く住んでいた実家が古くなったため、解体して新しい家を建てるケースがあります。この場合は、「実家を新築する」というより「実家を建て替える」と表現します。

また、古家付きの土地を購入し、解体後に新しい家を建てることも「建て替え」と言えます。

 

リノベーションするメリット・デメリット

リノベーションは住宅のベースとなる構造体を維持したまま工事を行うため、建て替えとは異なる特徴があります。

ここでは、リノベーションを選択するメリット・デメリットについて詳しく見ていきましょう。

リノベーションをするメリット

  • 今ある建物、思い入れのある建物を残せる
  • 経年変化を活かした味のあるデザインも可能
  • 予算に合わせてリノベーションする箇所を選べる
  • 工期が比較的短い
  • コストや税金を抑えられる

 

実家など、長く住んだ思い出のある建物を壊さず活かせるのがリノベーションの魅力。経年変化を活かした古民家風・和モダンテイストや、元々の欄間や梁を現した、味のあるデザインへのリノベーションも可能です。

また、リノベーションは工期の短さや費用面でもメリットが多く、工事中は仮住まいに移ることになっても、短工期なら家賃の支払いも少なくて済みますし、工事範囲によっては住ながらの工事も可能です。

 

リノベーションのデメリット

  • 理想の間取りを完全に採用できないことがある
  • 劣化が激しいと補修費用が高くなる
  • 工事が始まってから大幅な追加工事になる可能性がある

 

リノベーションは既存の建物がベースとなるため、間取りに対する要望がすべてかなうとは限りません。撤去できない柱や壁の位置に合わせて、使いやすい間取りを考える必要があります。

また、壁や床を剥がしてみたら構造体が傷んでいて耐震工事が必要になったり、断熱材が劣化していて断熱工事が必要になるケースもあるため、工事中の追加費用を予測しにくい部分もあります。

 

建て替えするメリット・デメリット

建て替えはリノベーションと比べると間取りや性能面でのメリットがある一方、費用面や工期でのデメリットがあります。

建て替えをするメリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。

建て替えのメリット

  • 理想の間取りを実現しやすい
  • 耐震化、断熱化などの施工がしやすい
  • 地盤に不安がある場合は地盤改良もできる

 

建て替えはリノベーションよりも制約が少なく、新築同様間取りを一から検討できるため、理想の間取りを実現しやすいのがメリット。

また、建て替えをする際は地盤調査が必須のため、地盤の強度に不安がある場合は安心を得ることができます。

築年数がある程度経った家は、どうしても耐震や断熱、省エネなどの住宅性能が低め。そのため、家の性能を高めたい場合は、リノベーションするよりも、建て替えてしまうほうが効率がよい可能性があります。

 

建て替えのデメリット

  • リノベーションよりも費用がかかる
  • 工期が長く、必ず仮住まいが必要
  • 建築基準法を満たしていないと建て替えできないケースがある

 

建て替えは基礎から作り直すため、新築と同じ費用+廃材の処分費用+解体費などがかかり、リノベーションよりも高額になる傾向があります。また、解体工事・地盤調査・基礎工事など、リノベーションにはない工事があるため工期が長くなる点もデメリットです。

さらに注意が必要なのが、建築基準法の基準を満たしていないと建て替えができない可能性があるという点です。

接道の幅や間口が基準を満たしていなかったり、敷地内に昔に建てられた建築確認を取っていない建物があるなどの「再建築不可物件」は、建て替えができないため、建て替えを希望する場合は、事前に敷地調査を行っておきましょう。

 

【第3の選択肢】性能向上リノベーションとは

新築、建て替えに代わる新たな選択肢として、性能向上リノベーションがあります。

性能向上リノベーションは高断熱・高気密・高耐震で新築同等の性能を実現します。

こんな方におすすめ

  • 新築を検討中だが予算をなるべく抑えたい
  • 新築同等の性能をリノベーションでかなえたい
  • 実家を両親から譲り受けたが生活しづらい
  • 今の住まいの耐震性・断熱性を上げたい

 

カスケホームのリノベーション部門「カスケのリノベ」の性能向上リノベーションは、高断熱・高気密・施工と耐震補強により35年先まで快適に暮せる住まいをご提供しています。

カスケの家の新築同様、末永く住み続けられる家づくりをモットーとし、耐震等級3を目指したリノベーションで安心安全な住まいを実現します。

 

リノベーションと建て替えを比較してみよう

耐震性能

耐震性が高い家ほど、より大きな地震の揺れにさらされても倒壊や破損がしにくくなります。地震に対する建物の強さを示す指標の1つが「耐震等級」です。耐震性能を3段階に分け数字が大きくなるほど耐震性能が高くなります。

耐震補強は構造体に手を加える工事です。構造体に耐震金具や耐力壁を設置するため、リノベーションで耐震等級3を目指す場合、構造体のみの状態にするスケルトン状態にする必要があります。

そのため、部分リノベーションの場合は、部分的な補強に留まってしまいますが、性能向上リノベーションは、スケルトン状態から耐震金物や構造用面材による補強のほか、必要に応じて基礎コンクリートの補強や屋根の軽量化も行い、新築(建て替え)同等の耐震性を目指すことができます。

 

断熱性能

断熱性とは、熱が伝導することを妨げる性能のことをいいます。

家の温度は、窓や壁を通じて外の天気、気温に大きく影響され、「冬に寒くて、夏に熱くなってしまう家」は、断熱性能が大きく影響しているためです。

こちらも新築と比べるとリノベーションの方が劣ってしまいますが、通常のリノベーションは、簡易的な「開口部のみ」の断熱や、LDKや寝室ごとに行う「部分断熱」など、生活スタイルや予算によって選択することが可能です。

性能向上リノベーションでは、断熱性と一緒に気密性能も上げることができるので、新築同様の性能を求める方に向いています。

 

住宅ローン

リフォームローンと住宅ローンと同じ住まいにかかわるローンですが、まったく異なる特色があり、簡単に言うとリフォームローンは住宅の増改築や修繕を目的としたローンで、住宅ローンは住宅の新築や購入のためのローンです。

 

リフォームローンと住宅ローンの違い

  • 金利はリフォームローンのほうが高め
  • 借入年数はリフォームローンのほうが短い
  • 借入可能額はリフォームローンが数十万円~1,000万円程度、住宅ローンは500万円以上1億円以内程度

リフォームローンは、「どの程度のリフォーム工事をするのか」によって、必要な金額は異なります。

住宅ローンは「購入や建築物件の条件など」で必要な金額が異なります。また、リフォームでも多額の資金が必要な場合、住宅ローン並みの低金利で長期間の借入をしたい人もいるでしょう。その場合商品によっては、増築やリフォームに住宅ローンを使うことを認めていることがあります。

ご自身の考え方や予算に合わせてリフォームローン、もしくは住宅ローンを活用することができます。

 

住宅性能・坪単価比較表を元に費用を比較してみました。

今建っているお家の状態にもよるため一概には言えませんが、同じ条件で新築を購入する場合とリノベーションする場合の費用を比較すると、リノベーションする場合の方が費用を抑えることができます。

 

あなたは「リノベーション」と「建て替え」どっち?

では、「リノベーション」と「建て替え」のどっちを選ぶべきなのでしょうか。

それぞれのおすすめのケースをご紹介します。

リノベーションがおすすめのケース

  • 愛着ある家を残したい
  • 建ぺい率の問題があり、建て替えると家が小さくなる
  • 費用を抑えて老後資金にしたい
  • 減築または増築したい
  • 子供や孫に受け継がせる予定がない

 

建て替えがおすすめのケース

  • 建物の躯体からやり直して耐震性と断熱性を高めたい
  • 制限なく好みの間取りにしたい
  • リノベーションとあまり費用が変わらない場合
  • これから先の住む年数が長い

 

戸建てのリノベーション事例を紹介

カスケのリノベで施工させていただいた、戸建てリノベーションの事例をご紹介します。

岡山市Fさま邸リノベーション事例

 

倉敷市Kさま邸リノベーション事例

 

戸建ての建て替え事例を紹介

カスケの家で施工させていただいた、戸建て建て替え事例をご紹介します。

笠岡市Nさま邸建替え事例

 

倉敷市Nさま邸建替え事例

 

戸建ての性能向上リノベーション事例を紹介

カスケのリノベで施工させていただいた、性能向上リノベーションの事例をご紹介します。

倉敷市T様邸性能向上リノベーション事例

 

【まとめ】暮らし方に合わせた選択肢を検討しよう

既存の住宅を活かすリノベーションと、既存の住宅を壊して一新する建て替えはまったくの別物で、どちらもメリット・デメリットがあるため一概にどちらがおすすめかは断言できません。

費用や工期はもちろんのこと、間取りの自由度や申請方法なども大きく異なります。

ご自身の考え方や家族のライフスタイル、現在の住まいの状態や何を重要視したいかなど、今回ご紹介した判断基準を参考にしていただき検討してみてください。

とは言え、家の状態などは自身での判断が難しいもの。そんな時は実績のある工務店に相談することをおすすめします。

 

カスケホームは、リノベーションも建て替えも多数の実績がある創業140年の歴史を持つ工務店です。

どちらも手掛けるカスケホームだからこそ、公平な視点でアドバイスいたしますので、お家のことで気になることがございましたら、お気軽にご相談ください!

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