建部 綾香 ◇◇◇

平屋への建て替えにかかる費用と二階建てからの成功事例

公開日:2025/07/20(日) 更新日:2025/07/22(火) 家づくりのこと

「子どもも独立したし、老後は夫婦ふたりでゆったり暮らせる平屋に建て替えたい」

「今の二階建ては部屋が余って掃除も大変…。これからの暮らしにちょうどいい家にしたい」

お子さまの独立や、バリアフリーな暮らしへの備えをきっかけに、広すぎる二階建てから、コンパクトで暮らしやすい平屋への建て替えを検討される方が増えています。

ワンフロアで生活が完結する平屋は、移動がしやすく段差も少ないため、将来にわたって安心して暮らせる住まい。毎日の家事も効率的になり、「自分たちらしい暮らし」を叶える選択肢として注目されています。

とはいえ、多くの方が気になるのはやはり「建て替えにかかる費用」のこと。
「土地はそのまま使えるけど、解体費や新築費用ってどれくらい?」「平屋って二階建てより高いって本当?」など、気になることも多いのではないでしょうか。

この記事では、これから平屋への建て替えを考え始めたばかりの方に向けて、二階建てから平屋に建て替える場合のポイントを解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。

contents

1. 二階建てから平屋への建て替えにかかる費用

2. 二階建てから平屋への建て替え費用の内訳

 2-1 解体工事費用

 2-2 新築工事費用

 2-3 地盤改良工事費用

 2-4 付帯工事費用

 2-5 諸費用

 2-6 設計費用

 2-7 設備費用

3. 二階建てから平屋へ建て替えるメリット・デメリット

 3-1 二階建てから平屋へ建て替えるメリット

 3-2 二階建てから平屋へ建て替えるデメリット

4. 二階建てから平屋への建て替えた岡山県内の建築事例

5. 二階建てから平屋への建て替えと減築リフォームではどちらがおすすめか

 5-1 減築リフォームのメリット

 5-2 減築リフォームのデメリット

6. まとめ

 

二階建てから平屋への建て替えにかかる費用

平屋への建て替えを考えるとき、まず気になるのは「いくらかかるのか?」という費用のこと。

二階建てから平屋への建て替えにかかる費用は、坪数や地域、使用する材料など様々な要素によって異なりますが、2,000万円~3,500万円(解体・諸費用含む)が一般的な相場です。

建て替えの場合は、新築費用だけでなく、古い建物の解体費用や地盤の状態によっては改良工事費が発生することも。また、水道・電気などの付帯工事や、設計・申請にかかる諸費用も含めて考える必要があります。

 

二階建てから平屋への建て替え費用の内訳

二階建てから平屋へ建て替えた場合の費用は、次の5つに分類されます。

それぞれの費用項目について詳しく見ていきましょう。

解体工事費用

まず必要となるのが、既存の二階建て住宅を取り壊すための解体工事費用です。

一般的な木造住宅の場合、1坪あたり5〜6万円が相場で、30坪の家であれば150〜180万円程度かかることが多いです。

構造や立地条件(狭小地や密集地)によって費用は増減します。

新築工事費用

解体後に建てる新しい平屋の建築本体工事費です。

平屋はワンフロアで基礎と屋根の面積が広くなる分、二階建てと比べて坪単価がやや高くなる傾向があります。

仕様や広さによりますが、坪単価70〜90万円程度が目安です。

地盤改良工事費用

建て替え時には、新築時と同じく地盤調査が必要です。地盤に問題がある場合は、補強のための地盤改良工事が必要となり、地盤調査は約5万円、地盤改良工事は80〜150万円程度が目安です。

地盤の強さや工法によって費用は変動します。

付帯工事費用

付帯工事とは給排水の引き直し、電気・ガス・外構・造成などの建物以外に必要な工事です。

これらは敷地の状況によって大きく異なりますが、建築費用全体の15~20%が相場で、100〜300万円程度見ておくと安心です。

特に、古い住宅を建て替える場合は配管の老朽化による交換が必要なケースもあります。

諸費用

諸費用は、登記費用や各種申請手数料、住宅ローン関連費用、火災保険など、建築以外に発生する費用です。

一般的に建築費用全体の5〜10%程度が相場で100〜200万円前後かかると見ておくと良いでしょう。

設計費用

設計費用は、間取りの設計や、建築確認申請、構造計算などにかかる設計・申請関連費用です。

建築会社や設計事務所によって異なりますが、建築費の5〜10%前後が一般的です。自由設計の平屋を希望する場合は、設計へのこだわりも反映される部分です。

設備費用

キッチンやバスルーム、トイレ、照明、空調などの住宅設備にかかる費用です。

グレードや選ぶメーカーによって幅がありますが、300〜500万円程度がひとつの目安。

特に平屋は生活動線がシンプルになるため、機能性とデザイン性を兼ね備えた設備を選ぶ方が増えています。

 

二階建てから平屋へ建て替えるメリット・デメリット

平屋はシンプルで暮らしやすく、特に子育てを終えたご夫婦やシニア世代にとって理想的な住まいとして人気を集めています。ただし、すべての方にとってベストな選択とは限りません。ここでは、二階建てから平屋へ建て替える際の「メリット」と「デメリット」を整理してご紹介します。

二階建てから平屋へ建て替えるメリット

1. ワンフロアで暮らしが完結する

階段の上り下りが不要なので、日常の動線がスムーズになります。動線が短く、身体への負担も少ないため、老後も安心して住み続けられる住まいになります。

2. バリアフリー対応がしやすい

段差をなくしたり、手すりを設けたりといったバリアフリー設計がしやすく、介護が必要になったときにも対応しやすい点が魅力です。

3. 家族とのつながりを感じやすい

すべての部屋が同じフロアにあることで、家族の気配が自然と感じられるのも平屋の特長。生活の中で自然なコミュニケーションが生まれやすくなります。

4. 将来的なメンテナンスコストを抑えやすい

外壁や屋根の点検・補修などのメンテナンスがしやすく、足場代などが抑えられるため、コストを抑えやすくなります。

5. 地震時の揺れのリスクが少ない

建物が二階建てと比べて低いため、構造的にも安定しやすく、地震時の揺れが小さくなるという安心感もあります。

 

二階建てから平屋へ建て替えるデメリット

1.建築費が割高になる場合がある

同じ延床面積で比べると、平屋は基礎や屋根の面積が広くなるため、坪単価が二階建てより高くなる傾向があります。限られた予算内での間取り調整が必要になることもあります。

2. 広い敷地が必要になる

平屋はすべての部屋を1階に配置するため、一定の広さの敷地が必要です。都市部や敷地面積が限られるエリアでは、建て替えが難しいケースも。

3. プライバシーの確保に工夫が必要

すべての居室が地面に近いため、外からの視線や音が気になりやすいこともあります。窓の配置や外構計画を工夫することで解決できますが、設計段階での配慮が大切です。

4. 防犯対策が重要

窓や出入口が地面に近いため、防犯面での対策はしっかりと行う必要があります。シャッター付き窓や人感センサー付き照明などの導入が安心です。

 

二階建てから平屋への建て替えた岡山県内の建築事例

建て替え事例①(倉敷市Nさま邸)

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ご実家の建て替えを行ったNさま邸。

亡きお父さまの代で建てたご実家は、空き家となり手入れが行き届かない状態でした。そんな空き家となったご実家を、事務所として再活用するため工事を検討。

当初はリノベーションも検討していましたが、現在の暮らし方を考え、広さはあまり必要ないこと、築年数が経っていて耐震性に問題があったことから、二階建てから平屋への建て替え選択されました。

建物として存続させるため、水害対策として高基礎に。また、お父さまが遺した庭園を活かせるよう、配置も計画しました。

 

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吹き抜けのある平屋。吹き抜けから差し込む光が壁に反射して廊下も明るい空間に。

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応接間として床の間のある和室を設えました。

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白を基調とし、自然光を活かした明るい事務所スペース。高気密高断熱で外部の音も聞こえにくいため、仕事に集中できる事務所空間です。

建て替え事例②(浅口市Nさま邸)

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ご主人のご実家の建て替えを行ったNさま邸。

当初は、リフォームやリノベーションも検討されていましたが、築年数の古い建物だったため、耐震性を考えて建て替えを選択されました。

思い出の残るお庭を生かした間取りで、あこがれのステンレスキッチンや薪ストーブを実現されました。

いつも明るく楽しいご夫婦が、この家でより楽しく充実した生活を送れるよう、空間同士のつながりを意識して設計した平屋です。

 

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広い土間スペースに薪ストーブを設置。わんちゃんとくつろぐセカンドリビングのような使い方もできます。

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和室は玄関から直接アクセスできる動線を計画。突然の来客時も生活スペースを通ることなく案内できます。

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リビング、土間スペース、キッチン、お庭、すべてに目の届く場所にダイニングを配置しました。

 

二階建てから平屋への建て替えと減築リフォームではどちらがおすすめか

「老後は平屋で快適に暮らしたい」と考えたとき、選択肢は大きく分けて二つあります。

ひとつは思い切って二階建てから平屋へ建て替える方法、もうひとつは今の住まいを活かして減築リフォームを行う方法です。

どちらが向いているかは、ご家庭のライフスタイルやご予算、建物の状態によって異なります。

ここでは「減築リフォーム」について、そのメリット・デメリットを中心に見ていきましょう。

減築リフォームのメリット

1. 費用を抑えられる可能性がある

建て替えよりも工事の範囲が限定されるため、構造や基礎をそのまま活かせればコストを抑えられることがあります。部分的なリフォームで済むため、解体・廃棄物処理費も少なめです。

2. 思い出の詰まった家を残せる

今の家の一部を残すことで、愛着ある空間や素材を活かすことができます。

3. 住みながら工事ができる場合も

工事の範囲や内容によっては、仮住まいに引っ越さずに住みながらのリフォームが可能なケースもあります。生活への影響を最小限に抑えられます。

 

減築リフォームのデメリット

1.構造や間取りの自由度に限界がある

既存の構造を活かすため、間取り変更に制限が出ることがあります。老朽化が進んでいる場合は、むしろフルリノベーションや建て替えのほうが合理的なことも。

2. 工事が割高になることも

一部だけを壊して造り変える工事は、手間や人件費がかかり、想像以上に高額になることも。工務店の設計力や施工技術に左右される点も注意が必要です。

3. 長期的な耐久性に不安が残るケースも

古い部分を残すと、将来的なメンテナンスコストが高くなる可能性もあります。断熱性・耐震性のアップグレードが難しい構造だと、快適性や安全性の面で妥協が必要なことも。

 

まとめ

二階建てから平屋への建て替えは、老後の暮らしを見据えた快適で安全な住まいづくりにつながります。ワンフロアで完結する動線は日々の移動や掃除もラクになり、バリアフリー設計とも相性抜群です。

ただし、建て替えには一定の費用がかかるため、事前に工事内容や予算の内訳をしっかり把握することが大切!また、今の家を活かしたい場合には、減築リフォームやリノベーションといった選択肢もあります。

カスケの家では、平屋への建て替えはもちろん、減築リフォーム、リノベーションに関するご相談も可能です。
「まずは話を聞いてみたい」という方もお気軽にお問い合わせください。

安全性・快適性の高い住まいを実現する、カスケの家づくり

「カスケの家」は倉敷市エリアで創業以来140年間、地域密着でリフォームを手掛けてきたカスケホームの新築ブランド。

リフォームの経験から「長く住み続けるには、新築の時にきちんとした家を建てることが大事」と思い至り、構造材からこだわった、高気密・高断熱、高耐震・高耐久をベースとした家づくりをご提供しています。

 

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カスケの家の特徴

カスケの家は、光熱費や修繕費用など暮らしのコストを抑えるため、「パッシブデザイン」が間取りやデザインの基本。

そして、土地の立地条件を活かし、家族のライフスタイルなど総合的に考えた「最適サイズの注文住宅」を提案しています。

“しっかりとした強い家で、ゆとりのある幸せな暮らしを送ってほしい。”カスケの家は、安心して長く住める、理想の家づくりをお手伝いします。

 

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