建部 綾香 ◇◇◇

高気密高断熱なのに寒い?エアコン1台の適切な畳数と容量とは

2023/08/03(木) 家づくりのこと

高気密高断熱住宅は省エネで快適な暮らしできる高性能な住宅。普通の家よりも冬は暖かく、夏は涼しく過ごすことができます。

今回は、より快適に、より省エネな暮らしを実現するためのエアコンの選び方やその注意点について解説します。

 

高気密高断熱住宅についてもっと知りたい人はこちらの記事も確認してみてください。

オススメ記事:高気密・高断熱・高耐久な住まい。快適で長持ちする家づくりとは

contents

1. 高気密高断熱住宅なのに寒いのはなぜか?

 1-1 そもそも高気密高断熱住宅ではなかった

 1-2 換気が原因の可能性

2. 高気密高断熱の家は本当にエアコン1台で全館空調できるの?

 2-1 エアコン1台で大丈夫な条件

 2-2 エアコンを個別で設置したほうがよい部屋とは

 2-3 エアコンの取り付け位置・高さについて

 2-4 エアコンのサイズ選定方法

3. エアコン1台の適切な対応畳数と容量とは

 3-1 エアコンの「定格能力値」

 3-2 「最大能力値」をエアコン選びではチェック

 3-3 冷房は最大能力値に上限がある

 3-4 エアコン選びは6畳用、10畳用、14畳用の3つで十分

4. エアコンの対応畳数表示は現代の住宅に対応していない

5. 全館空調モデルハウス106㎡・32坪では、どんなエアコンを使っているの?

6. 高気密高断熱の家はエアコン1台でつけっぱなしのほうが安いの?

 6-1 24時間全館空調で、4LDK一戸建ての家のエアコンの電気代は?

 6-2 エアコンは「つけっぱなし運転」の方が安くなる?

7. 高高気密高断熱の家におすすめのエアコンメーカー紹介

 7-1 ダイキン「Eシリーズ」

 7-2 ダイキン「ハウジングマルチエアコンVRシリーズ(床置き型)」

8. 高気密高断熱住宅でのエアコン取り付け手順

 8-1 ①コーキング材で気密処理

 8-2 ②パテで気密処理

 8-3 ③ビス穴、ビス上の防水処理

 8-4 ④ヘッドカバー周りの防水処理

 8-5 ⑤害虫侵入防止

9. エアコンは後付けでも大丈夫なの?

10. 高気密高断熱でエアコン1台全館空調を体感できる倉敷市のモデルハウス

高気密高断熱住宅なのに寒いのはなぜか?

高気密高断熱住宅とは、限りなく隙間を減らし、断熱性能を高めることで外気温の影響を受けにくくした住宅のことです。外気温の影響を受けにくいため、効率的に室内を温めたり冷やしたりすることが可能。夏は涼しさ、冬は暖かさをキープでき、1年中快適に過ごせる住宅です。

そもそも高気密高断熱住宅ではなかった

お家を一台のエアコンで空調させようとすると、大前提として高気密高断熱住宅であることが必須になります。でも高気密高断熱住宅だと思っていた家が実は性能が低く、高気密高断熱住宅ではなかったなんてこともあります。

建築会社からUA値(外皮平均熱貫流率)の計算をしてもらうと、家の断熱性をチェックすることができます。このUA値は工事前に求めることのできる値なので、事前に高断熱住宅といえるのかどうか確認することができます。気になる方はこちらも確認しておくとより安心できると思います。弊社ではG2レベル、UA値0.46以下になるように設計しています。

その他にはきちんと建築会社が工事したお家を気密測定をしてC値を出している会社かどうか確認し、気密工事のスキルがどれくらいあるのか確認すると、よりいいと思います。ただC値は実際のお家ができて気密測定をして初めて求めることができる値なので、事前に自分の家のC値はわかりません。なので、事前に建築会社が過去に工事した家のC値がどれぐらいなのか把握しておくと、より安心できます。弊社ではC値0.5以下を目指して施工しており、ほとんどのお家が0.5を切っています。

工事後に高気密高断熱の家でなかったとわかった場合、残念ながらこの段階でできる対策は少ないので、家づくりの最初の段階である建築会社選びはくれぐれも慎重にすることをオススメします。

換気が原因の可能性

高性能な高気密高断熱住宅なのに寒いと感じるのは、換気による影響も考えられます。

住宅の換気方式の種類は3つあって、

・第1種換気:給気と排気ともに機械換気でおこなう換気方式

       給気と排気を機械で行うので、安定した風量が維持でき、必要量の換気を計画的にできる

・第2種換気:給気を機械換気、排気を自然換気でおこなう換気方式

       外からの汚れた空気の侵入を防ぐことができ、広い部屋でもきれいな空気環境を保つことができる

・第3種換気:給気を自然換気、排気を機械換気でおこなう換気方式

       室内で発生する臭いなどが他の部屋にスペースに広がる前に排気することができる

この3つの換気方式で、うまく換気計画ができていないと、高気密高断熱住宅であっても冬に寒いと感じる原因になる可能性があります。なのできちんと家の中の換気ができて、なおかつ室内の快適な室温が保たれるよう計画する必要があります。

 

高気密高断熱の家は本当にエアコン1台で全館空調できるの?

高気密高断熱住宅ならエアコンは一台で十分じゃないの?と考える方が多いかもしれません。

しかし、一台のエアコンで家全体の室温をコントロールするには「一定の条件」を満たす必要があり、お部屋によっては個別でエアコンを設置したほうがよいケースがあります。

エアコン1台で大丈夫な条件

【条件①】壁などで空間が仕切られていないこと

間仕切り壁、ドアなどが増えると、空気の循環がしにくくなりエアコン効率も落ちてしまいます。

1台のエアコンで快適に過ごせる空間を実現するために「できるだけシンプルな間取り」にすることが重要です。

【条件②】家全体に送風できる設備があること

エアコン1台で快適に過ごせるということは、第1種換気システム(給排気を機械で行う)などを導入した、高性能な住宅であることが前提です。

エアコンを個別で設置したほうがよい部屋とは

■パソコンなど熱を発するものがある部屋

■人がたくさん集まる部屋

■日差しがたくさん入る狭い部屋

熱を発するものがある部屋と熱をため込みやすい部屋は熱がこもりやすく、

室温が高くなる傾向があるため、個別でエアコンを設置したほうが良い場合もあります。

エアコンの取り付け位置・高さについて

通常エアコンは天井付近に取り付けることが多いと思います。なぜこのような位置に取り付けるかというと、暖房のときは吹き出し口を下に向けることによって、暖かい空気は上に、冷房のときは吹き出し口を地面に対して水平にすることで、冷たい空気は自然と下がっていくためです。

エアコンの設置位置は、高ければ高いほどよいわけではありません。
一般的な壁掛けタイプのエアコンは本体より高い部分の空気を冷やすことができず、下に関しても、3m以上下の空気を暖めることができません。

では、エアコンを効率的に運転するにはどこに設置すればよいのでしょうか?

①大きな窓から離れた位置

窓のそばは一番外気の影響を受けやすい場所なので、できれば大きな窓から離れた位置から風を流すのがおすすめです。

窓から外気の熱が伝わってきますので、部屋を空調した熱で窓へ押し返すようなイメージ。窓近くにエアコンの吹き出し経路があると、空調した熱が窓からの熱で弱まってしまう恐れがあります。

②天井、壁から5㎝以上離れ、床面から1.8~2.4mの高さの場所

エアコンは周りの空気を取り込み、温度調整をした上で送り出しています。周りにスペースがなければ、エアコンは十分な量の空気を取り込むことができなくなります。その結果、エアコンは少量の空気しか部屋の中に送り込めなくなるため、部屋の温度を効率的に下げることができなくなります。

このようなことを避けるため、エアコンの周り四辺には、一定のスペースを設けましょう。

③暖房運転時、エアコンの下に障害物がないこと

空気の性質上、冷たい空気は部屋の足元に、暖かい空気は部屋の天井近くに滞ります。エアコンを効率的に使うためには、この空気溜まりをかき混ぜて、部屋の中の温度差をなくすことが大切です。しかし、暖房運転時にエアコンの真下に家具などの障害物があると、温風が床まで届きにくくなってしまうので注意しましょう。

④エアコンは壁の短辺に取り付けること

効率的に部屋の温度を上げ下げするには、風が送られる面積を広くしなければなりません。そのためには、部屋の壁の短辺側のほうにエアコンを取り付けることが効果的です。エアコンの風が当たる面積を増やすことで、より短時間で部屋の温度を調整することができます。

部屋が長方形の場合は、短辺側にエアコンを設置、正方形の部屋では、電源コードが届く範囲で壁の中心部分に設置しましょう。

⑤室内機と室外機を近い位置に設置する

エアコンは室内機で取り込んだ空気を室外機で冷やし(または温めて)、再度室内機に戻して部屋に送るという仕組みになっています。

室内機と室外機の距離が遠い場合、元々入っていた冷媒ガスでは足りなくなり、熱効率が下がってしまいます。

電力効率を高めるためには、室内機と室外機はできるだけ近い場所に設置しましょう。

エアコンのサイズ選定方法

設置を考えているお部屋の条件によって適したエアコンは異なります。窓の配置や、日差し、風通しなどがエアコンの性能を左右するためです。

お部屋の条件に合わせ、エアコンが最も効率的に動いてくれるサイズやスペックをよく検討して選びましょう。

電量販店にいくと様々なエアコンが販売されており、6畳用や14畳用など様々な畳数が書いてあります。これは通常の家で使用することを想定した畳数で、実は1964年に制定された基準のままなのです。近年の高気密高断熱住宅において、この適応畳数通りの機種を選ぶと暖まり過ぎ・冷え過ぎることもあるので、少し小さいサイズでも十分でしょう。

 

エアコン1台の適切な対応畳数と容量とは

エアコンは通常10年~13年ぐらいで故障などで買い替えることが多いので、割と頻繁にメーカーのエアコンカタログを見る方が多いかもしれません。ですが、エアコン自体について知っておかないと、どれを選んだらいいかわからず、家電量販店のスタッフの方に相談する方がほとんどだと思います。ここではエアコン1台の適切な対応畳数と容量について、詳しくお伝えします。

エアコンの「定格能力値」

エアコンのカタログを見る時、このエアコン一覧表を見る方が多いと思います。エアコンに対しての部屋の大きさの基準が、100Vの電源の6畳用、8畳用、10畳用、12畳用、14畳用、200Vの電源の14畳用、18畳用、メーカーによっては、20畳用、24畳用、26畳用と商品展開され細かく掲載されており(メーカーによって異なります)、その対応畳数に合わせてエアコンを選ばれる方が多いと思います。ですが、エアコン選びで重要なのは「能力値」の差です。

緑色で囲った数字は暖房時の定格能力値で、対応畳数が増えれば増えるほど、値は大きくなっています。この定格能力は、JIS規格に基づいた温度条件でエアコンを連続して運転した場合に安定して出すことができる能力のことです。6畳用の暖房時であれば2.2kW、8畳用の暖房時であれば2.8kWとなっており、対応畳数によって比例するように数値が増えていきます。この数字を確認するのが、第一段階となります。

「最大能力値」をエアコン選びではチェック

オレンジ色で囲ったのは暖房時の最大能力値で、これはエアコンの運転を最大限稼働させた時の能力を意味しています。6畳用の暖房時であれば3.9kW、8畳用の暖房時であれば4.1kWとなっており、定格能力値とは異なり数字に大小差が出てきます。この最大能力値と定格能力値を足してみると、6畳用と8畳用、10畳用と12畳用と100Vの電源の14畳用、200Vの電源の14畳用以上のものとでほぼ同じ値になります。例えば6畳用と8畳用であれば約6kW、10畳用と12畳用と100Vの電源の14畳用であれば約8kW、200Vの電源の14畳用以上のものであれば約12kWでほぼ値が同じになります。

つまり暖房時の最大能力値に焦点を当ててみると、

①6畳用と8畳用のエアコン

②10畳用と12畳用と100Vの電源の14畳用のエアコン

③200Vの電源の14畳用以上のエアコン

の3つにグループ分けすることができます。6畳用と8畳用のエアコンの暖房能力は同じであるということです。なので、8畳の部屋に8畳用のエアコンを選ぶのは間違いではないのですが、暖房能力が同じ6畳用のエアコンと8畳用のエアコンの金額を比較すると、8畳用のエアコンの方が高いので損してしまうということになります。

冷房は最大能力値に上限がある

赤色で囲った数字は冷房時の定格能力値で、暖房時と同様に対応畳数が増えれば増えるほど、値は大きくなっています。6畳用の冷房時であれば2.2kW、8畳用の冷房時であれば2.5kWとなっており、数値が増えていることがわかると思います。

続いて、青色で囲ったのは冷房時の最大能力値です。6畳用の暖房時であれば2.8kW、8畳用の暖房時であれば3.1kWとなっており、こちらも定格能力値とは異なり値に差が出てきます。暖房時と同様にこの最大能力値と定格能力値を足してみると、結果は暖房時とは異なり畳数に比例するように値は大きくなっていきます。例えば6畳用であれば約3.2kW、8畳用であれば約3.5kW、10畳用であれば約4.0kWと少しずつ値が大きくなります。なので冷房期は対応畳数によって能力は違うということになります。

エアコン選びは6畳、10畳、14畳の3つで十分

上記の通りエアコンは暖房時のエアコンは、あらかじめ能力のリミッターがかかっている状態と思われます。原付バイクに置き換えると、アクセルを最大限入れると60以上km/h出すことができますが、それ以上出ないようにリミッターが設定されているようなイメージです。逆に冷房期はリミッターカットされているので、最大能力値が対応畳数に対して比例するように値が大きくなるということになります。

少し難しい話になりましたが、簡単にいうとエアコンを選ぶ際には6畳用、10畳用、200Vの電源の14畳用の3つから最適なエアコンを選ぶと、不必要に対応畳数が大きく値段の高いエアコンを購入する必要がないということです。対応畳数が高ければ高いほど、エアコンの価格も高くなるので、カタログをサラッと見ると「エアコンの能力が高いのであれば、値段も高くなるもの」と納得してしまいそうになりますが、そうではありません。エアコンのカタログをしっかり読めばわからないこともないですが、そこまでじっくり読み解く方は多くはいません。なので、今回のようにエアコン能力の仕組みについて知っていれば、安心してエアコンを選ぶことができます。

 

エアコンの対応畳数表示は現代の住宅に対応していない

前述にも何回も出した「対応畳数表示」ですが、この基準は何を基に割り出されているかご存じの方はかなり少ないと思います。この対応畳数表示ですが、実は今から約60年前の1964年に制定されたもので、それ以降改正されることなく現在まで使われているのです。この対応畳数表示は当時の住宅に合わせて表示されており、それがどんな住宅だったかというと「無断熱住宅」です。

ということは、現代の高気密高断熱住宅に取り付けるエアコンを対応畳数表示に合わせて選ぶということは、「無断熱住宅」と「高気密高断熱住宅」の性能の差を考慮せず、面積だけでエアコンを選んでいるということになります。なので、取り付ける住宅の性能にもよりますが、単純に対応畳数だけを見てエアコンを選んでしまうとオーバースペックになってしまい、エアコン購入で損してしまう可能性が高いです。

そんな対応畳数表示ですが、家電量販店さんに行くと、対応畳数表示通りのエアコンを選ぶか、それよりもう一段階容量の大きいものを選ぶといいと言われたという話を聞きます。ですが、新築住宅でいうと1964年の時の住宅とは比較できないくらいの性能ですし、リフォームやリノベーションでも断熱性や気密性を高める性能向上させる工事がかなり増えたので、この現代で対応畳数表示通りのエアコンを選ぶのはもったいないと思います...!

 

全館空調モデルハウス106㎡・32坪では、どんなエアコンを使っているの?

弊社の全館空調モデルハウスでは冬用のエアコンは200Vの電源の14畳用のエアコン(冬用は置き型、夏用は壁掛け型)を設置しています。このモデルハウスはUA値は0.42W/㎡・K、C値は0.3㎤/㎡で、延床面積は106.78㎡(31.99坪)です。高気密高断熱住宅であれば、大体「対応畳数表示×5」の床面積の空間をまかなうことができるという目安を計算することができます。なので今回のモデルハウスであれば、断熱性能・気密性能と床面積からすると計算上では「6畳用×5=30畳」なので、6畳用エアコンでもまかなうことができるということになります。これはあくまで30坪の何もない空間に6畳用エアコンを使用すると快適に過ごすことができるということです。

ではなぜ弊社の全館空調モデルハウスでは200Vの電源の14畳用のエアコンを設置しているかというと、お家の中には様々な部屋があるので、壁やドアで仕切られています。そうなると1台のエアコンから出てくる快適な空気がお家全体に行き渡りにくくなるので、容量=パワーの大きいエアコンを設置しています。また延床面積に含まれない吹抜の面積も大きいので、そういった面からも200Vの電源の14畳用のエアコンを採用しています。

 

高気密高断熱の家はエアコン1台でつけっぱなしのほうが安いの?

家の間取りや断熱性・気密性などの状況、敷地の気候や周辺環境などの条件、さまざまな内容によって結果は変わってきますが、高気密高断熱住宅でエアコン1台でつけっぱなしにすると電気代が安くなると言えます。

なぜかというと、高気密高断熱の家は外気の影響を受けにくいので、室内の温度を一定に保ちやすい特徴があります。 そのため、エアコン1台をつけっぱなしにすると稼働時間は長くなりますが、高気密高断熱の家であれば室内の温度を一定に保つことができるので、エアコンに負荷がかかりにくく電気代が安くなる可能性があるからです。

24時間全館空調で、4LDK一戸建ての家のエアコンの電気代は?

一般的な4LDKの約30坪の高断熱戸建住宅(断熱等性能等級5)で24時間エアコン3台を使用し全館空調した場合、エアコンの月の平均電気料金は約3,000円~約4000円です。24時間全館空調と聞くと、かなり電気代がかかりそうなイメージの方が多いと思いますが、家自体の性能がよければかなりエアコンの電気代は安く抑えることができます。

エアコンは「つけっぱなし運転」の方が安くなる?

結論から言いますと、高気密高断熱住宅であれば「つけっぱなし」のほうがトータルの消費電力が下がる傾向にあります。エアコンは起動時に多くの電力を消費します。設定温度と実際の部屋の温度に差があると、設定温度にするためにパワーを使うため、電力を多く消費してしまうのです。

つけっぱなしにしておくことで、設定温度と実際の部屋の温度が常に変わらない状態になり、小さなパワーで持続的にエアコンを稼働させるので瞬間的に力を使う必要がありません。つけっぱなしにすることで、夏の熱帯夜でも寝苦しさを感じませんし、真冬も廊下やトイレ、お風呂などで寒い思いをしなくてすみます。

もちろん家の間取りやお家の性能など様々な条件・状況によってこの結論は変わってきますので、どちらの方が安くなる傾向にあるのかも併せて詳しく紹介します。

「つけっぱなし運転」の方が安い場合

つけっぱなし運転の方が安い傾向にあるのは、高気密高断熱住宅のエアコンや全館空調のエアコン、広範囲を空調させるエアコンを使用する場合です。こういった場合は24時間エアコンをつけっぱなしにするのが基本的です。なぜかというと、上記のようにエアコンは起動時に多くの電力を消費するので、設定温度と実際の部屋の温度に差があると、設定温度にするためにパワーを使い電力を多く消費することになり、結果電気代がより多くかかってしまうことになるからです。逆にいうと、部屋の室温が設定温度になった場合、エアコンは自動的にパワーを弱める機能がありますので、消費電力は少なくなり、電気代も少なく済みます。

また1台で広範囲の空間を空調しようと思うと、1ヶ所から快適な空気を全体に回そうと思うと単純に時間がかかります。なので電気代の観点からだけでなく、エアコンの効き方から考えても、全館空調のエアコンや広範囲を空調させるエアコンを使用する場合は24時間つけっぱなしにすることをおすすめします。

「こまめに消す運転」の方が安い場合

こまめに消す運転の方が安い傾向にあるのは、全館空調とは異なり、1階と2階にそれぞれエアコンを設置したり、部屋ごとにエアコンを設置している場合です。また外気温が30℃以下になるとこまめに消す運転の方が安くなると言われているので、高断熱の住宅でなおかつ外気温と室温の温度差が小さい時はこまめに消す運転の方が電気代が安くなるということになります。

またこまめに消す運転の方が電気代が安くなる目安として、ZEH基準以上の高気密高断熱住宅であれば、12時間以上外出する場合はエアコンを消すといいとも言われています。

 

高気密・高断熱の家におすすめのエアコンメーカー紹介

ダイキン「Eシリーズ」

リビングは24畳くらいまでなら14畳用200Vのタイプが一番おすすめ!高気密高断熱住宅では、スタンダードなエアコンで十分まかなえます。

「Eシリーズ」はカビの抑制効果があるストリーマ搭載、水内部クリーン機能も備えたベーシックモデル。

 室内機・室外機ともにサイズが小さく、設置スペースに限りがある場合は特におすすめです。

>ダイキン「Eシリーズ」

ダイキン「ハウジングマルチエアコン VRシリーズ(床置き型)」

床置き型のエアコンもおすすめです。

ダイキン「ハウジングマルチエアコン(床置き型)」は、給気方式の換気できるエアコン。換気しながらお部屋の空気を快適に保ちます。

上下2方向から快適気流を届け、足元はもちろん、上からもワイドに気流を吹き出して、お部屋全体を空調します。

特に冬には、足元から気流を送ることで温もりが広がるので、冬の底冷えを和らげたい場合に効果的な空調スタイル。スリムでコンパクトな設計なので、家具の下にもすっきり納まり、天井が高い吹き抜け空間にもおすすめです。

床置きなので壁付けよりも手が届きやすく、メンテナンスもしやすいのもいいところですね。

>ハウジングマルチエアコン VRシリーズ

 

高気密高断熱住宅でのエアコン取り付け手順

①コーキング材で気密処理

高気密住宅へのエアコン取付について忘れがちなのがエアコンスリーブ(壁貫通穴)への気密処理です。気密処理はウレタンでもコーキングでもいいですが、エアコンの配管は束になったものなので小さい隙間ができやすくコーキングでは不利なのでウレタンが適していると思います。この部分の気密処理がおろそかになるとエアコン配管とスリーブの間で結露が起きますので要注意です。

②パテで気密処理

エアコンのスリーブ隙間は一般的にはパテで行います。ここで注意ですが、パテは隙間が埋めれたように見えて隙間が空いています。配管が2本抱き合わせになっているのでどうしても隙間ができます。埋めるときはパテに頼らずウレタンやコーキングでしっかり気密しましょう。

③ビス穴、ビス上の防水処理

危険な個所はスリーブだけではありません。屋外の配管カバー取付時の防水処理です。その家を施工した会社ならどのような外壁の構成かはわかりますが、エアコン取付は家電量販店の可能性が高いです。
最近作られた多くの家は外壁に通気層を設けているので、外壁に穴が開いても大丈夫だったりしますが、通気層を設けていなかったりする建物へは必ず防水処理は必要です。外壁がガルバの家は外壁穴あけ時には切り粉によるもらいさびに注意です。

④ヘッドカバー周りの防水処理

ヘッドカバーの防水も大変重要です。気密施工をすれば水は入らないとおもっている人も多いですが、防水が甘ければエアコンの配管を伝って内部に水が浸入してしまいます。

⑤害虫侵入防止

エアコンからゴキブリがでてきたというを聞いたことがあります。実はエアコンのドレン管は屋外まで通じています。ドレン先端に虫対策キャップが販売されているので気になる方は100均へ!

 

エアコンは後付けでも大丈夫なの?

もちろんお家の完成後でもエアコンの取り付けは可能ですが、高気密高断熱住宅の特性を考えるとあまりおすすめできません。

通常、高気密高断熱住宅では、エアコンを取り付ける際にあける穴はしっかりと気密処理を行います。後付けの場合もきちんと気密処理を行えば問題ありませんが、処理が甘い場合は、外気が入り放題となり、せっかくの気密性・防湿性が損なわれる可能性があるためです。

後付けする場合は、「高気密高断熱住宅へのエアコン取り付け経験があるかどうか」確認することをおすすめします。

 

高気密高断熱でエアコン1台全館空調を体感できる倉敷市のモデルハウス

カスケの家では倉敷市水江に高気密高断熱住宅でエアコン1台全館空調(冬期:床下エアコン、夏期:小屋裏エアコン)を体験できるモデルハウスがあります。春や秋などエアコンの不要な時期も家の中の心地よさを感じていただけますが、高気密高断熱住宅なので、より外気の寒さや暑さと室内の快適性を比較しやすい夏と冬の見学が特におすすめです。

 

家の中はどこにいても家族の気配が感じられるような間取りになっていて、廊下が少なく建築コストが抑えられるだけでなく、家族とのコミュニケーションが増えるような造りになっています。また弊社が得意とするパッシブ設計が至る所に施され、特徴の一つである吹抜がLDKに設けられていて、30坪とは思えない広さを感じることができます。

 

 

 

 

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