せっかくお家を建てるのであれば、部屋のインテリアにこだわっておしゃれな空間にしたいですよね。そんなインテリアですが、置き型の家具などは簡単に移動や買い替えができますが、照明器具はインテリアと同じくらい部屋の雰囲気に大きく影響するものですし、ものによっては専門業者でないと移動や交換などが難しいものです。
とはいえ、部屋の模様替えなどの際に照明器具も移動・交換して雰囲気を変えたいと思っている方もいらっしゃると思います。そんな時に活躍するのがダクトレールです。今回はそんな便利なダクトレールについての失敗例や対策をお話しします。
contents
2. リビングダクトレールの失敗例1:明るすぎる照明で生活感が失われる
3. リビングダクトレールの失敗例2:照明が過剰で圧迫感が生じる
4. リビングダクトレールの失敗例3:照明のデザインが部屋のコンセプトに合わない
5. リビングダクトレールの失敗例4:ダクトレール照明を設置する前に十分な計画が必要
6. リビングのダクトレール成功のためのポイント2:照明の種類を選ぶ際に考慮すべきポイント
はじめに:ダクトレール照明とは?
ダクトレールは照明器具を取り付けるバーのような細長い形のものです。ライティングレールと呼ばれることもあるもので、レールの溝には電流が通っていて、レール上であればどこでも照明の取り外しが可能になる便利な器具です。
元々は店舗や舞台などで使われていたそうですが、ペンダントライトやスポットライトを設置することができ、デザインや光の広がりを自由に変えることができるので、近年では住宅でも使われることが増えてきました。
リビングダクトレールの失敗例1:明るすぎる照明で生活感が失われる
明るすぎる照明がもたらす問題点
それぞれのダクトレールにワット数や重量の上限がありますが、ダクトレールにはたくさん照明を取り付けることが可能なので、たくさんの照明を取り付ける方が多くいらっしゃいます。明るいと気分も明るくなりますし、勉強や料理など手元をよく見る作業をする際は快適に過ごすことができますが、明るすぎると、眩しすぎたり、かえってデザイン性が落ちてしまい、落ち着いた雰囲気の空間になりにくいので、居心地が悪いと感じる方も中にはいます。また明るすぎると目が疲れたりなど、思いがけない不快感を感じることもあるかもしれないので、失敗のないように多少なりとも明るさが調整できるように設計担当者と一緒に検討しておくことをおすすめします。
明るさを調整する方法とは?
明るさの調整方法としては照明器具が調光付のものであればリモコンなどで簡単に光の明るさを調整することができます。調光付の照明器具は非調光のものに比べて価格は上がりますが、照明の交換となると「器具代+施工費」と高額になることが多いので、照明の明るさが心配な方は調光付の照明器具を採用されると失敗しにくく安心だと思います。
リビングダクトレールの失敗例2:照明が過剰で圧迫感が生じる
過剰な照明の問題点
※写真左が電球色、右が昼白色
照明の光は、勉強などの手元をよく見る際に良いとされている白っぽい昼白色、落ち着いた色味でカフェやバーなどでよく使われているオレンジ色の電球色、昼白色と電球色の中間色の温白色の3種類あり、明るさは昼白色、温白色、電球色の順に強いです。最近は電球色の採用率が上がってきましたが、元々日本では明るい色味の灯りが好みの方が多く、昼白色を選ぶことが定番でした。ですが、昼白色は前述のように明るさとしては強いので、昼白色の照明をたくさんつけたり、容量の大きいものを取り付けると、明るさが過剰で圧迫感を感じることがありますので、失敗しないように注意が必要です。
照明の量を調整する方法とは?
ダクトレールに照明を取り付けている場合は、専門業者でなくても簡単に器具の取り外すことが可能なので、必要に応じて照明器具の数を増減させて、明るさを調整することができます。逆にいうと、ダクトレールを使っていない照明は取り外すことはできますが、接続部分の金具がむき出しになってしまい、見た目がよくありません。なので、照明のスイッチをこまめに分けておくと、必要に応じてスイッチを入り切りすることで、光の量を調整できるようになり、失敗を回避できます。
リビングダクトレールの失敗例3:照明のデザインが部屋のコンセプトに合わない
照明のデザインについて考える
リビングは一番家族が集まる部屋ということもあり、照明での演出は重要になってきます。最近では部屋のテイストやデザインの種類も増え、どんなものが自分の部屋のコンセプトに合うのかわからないという方がたくさんいらっしゃいます。またテイストやデザインによって、ダクトレールの有無や色の選定は大きく変わってきます。なので失敗しないためには、まずは部屋のコンセプトがブレることがないよう、どんな部屋のスタイルにするかよく考える必要があります。
部屋のコンセプトとマッチする照明を選ぶ方法とは?
ヴィンテージテイスト:インダストリアル、ブルックリン
ダークカラーを中心に、レンガやコンクリート、鉄などの素材を使ったインテリアを多く取り入れ、工場や倉庫を連想させるようなヴィンテージテイストタイプの部屋は、無骨さや無機質さを楽しむデザインのものが多く、ダクトレールはその無骨なかっこよさをさらに強めるインテリアの一つになります。なので、ダクトレールはたくさん取り入れると空間が引き締まりますし、色味はブラックやシルバー選ぶと部屋やインテリアに馴染みやすいです。
ナチュラルテイスト:ジャパンディ、和モダン、北欧、韓国インテリア
比較的明るい色味のものを多用するナチュラルテイストタイプの部屋は、すっきりとスマートな部屋にまとめることが多いです。なので、基本的にはダクトレールの取り付けはあまりおすすめしませんが、もし取り付けるのであれば色味は天井の色味に合わせたホワイトなどの明るいものを選ぶと部屋に馴染み、ダクトレールが目立ちにくく部屋のデザイン性を損ねることがなく、照明配置の自由度を上げることができます。
リビングダクトレールの失敗例4:ダクトレール照明を設置する前に十分な計画が必要
計画の不備による問題点
ダクトレールに対してたくさんの照明をつけた場合、重量や容量が合わず、不具合が起こる可能性があります。なので重量のある照明を取り付ける場合やたくさんの照明を取り付けたい場合は、失敗やトラブルが起きないように、事前にダクトレールの取扱説明書を確認することをおすすめします。
便利なダクトレールですが、設置場所によっては掃除をするのが難しい箇所が出てくる場合があります。例えば、ダクトレールの下に家具などのものがあると、それをどかして踏み台を持ってきて掃除、と掃除するまでに少し手間がかかってしまいます。また吹抜けなどの梁下に設置されている場合は、特に高い位置にあるので、掃除が難しくなることがあります。
設置前に押さえるべきポイントとは?
前述のように、ダクトレールによって重量や容量の制限があるので、ダクトレールに対して適切な照明を選定するか、設置する照明にあったダクトレールを選定する必要があります。またダクトレールは様々な長さのものが展開されていますので、設置する長さを検討するといいと思います。
また将来照明の設置場所の移動を考慮して、ダクトレールの設置場所や方向を検討する必要があります。設置する場所によっては、照明がダクトレールのラインから外れる可能性があるため、そうならないよう設置前に設置場所や方向についていろいろな可能性を考えておくと、失敗がないです。
リビングのダクトレール成功のためのポイント1:照明の種類を選ぶ際に考慮すべきポイント
照明の種類とその特徴
ダクトレールに取り付けることができる照明は、ペンダントライト、スポットライト、シーリングライトの3種類です。それぞれ形状、光の広がり方が異なるので、必要に応じて照明を選ぶ必要があります。リビングでは、基本的にはくつろいだり食事を楽しむための柔らかな光が必要ですが、ご家族によっては勉強や読書をすることもあると思うので、そういった場合は明るく手元が見やすい明るい光が必要になってきます。
ペンダントライト
ペンダントライトは天井から吊り下げるタイプの照明のことで、照明から照らされるものまでの距離を近づけることができます。逆にいうとペンダントライトの光から照らされるものまでの距離が近いので、光の陰影がはっきりとでます。ペンダントライトはいろいろな種類のシェードがあるので、デザインの自由度はかなり高い照明と言えます。和紙、ガラス、鉄など様々なシェード(傘)のペンダントライトがあり、家具などのインテリアと密接な関係のある照明です。
スポットライト
スポットライトは部屋の演出効果が高い照明です。デザインはペンダントライトよりも少なくはなりますが、様々な形状のスポットライトがあります。照らし方は様々でポンポイントで特定のものを照らすこともできますし、壁面を広く照らせば部屋全体がじわっと明るくなり、間接照明のような優しい雰囲気の光を楽しむことができます。
シーリングライト
シーリングライトは天井に直接取り付ける照明なので高い位置に設置されることが多く、天井から拾い範囲をまんべんなく照らすことができ、リビングなど大きな部屋でも一灯だけであっても部屋全体を明るくすることができます。それぞれのシーリングライトの容量にもよりますが、一灯に対して広範囲を照らすことができるので、部屋をすっきり見せることができるとも言われています。特に勉強や趣味を楽しむ子ども部屋などで採用されることの多い照明です。
部屋に合った照明を選ぶためのポイントとは?
リビングは家族が集まり、のんびり過ごしたり、勉強したり、遊んだりと家の中でも様々な使い方をする部屋です。なので広い用途に合わせて、家の照明の明るさや照らし方などを変化させられるように事前に計画しておくことが大事です。またリビングは来客時に過ごすことの多い部屋の一つなので、デザイン性が高く落ち着きを感じることができると、よりいいですよね。なので、部屋全体を優しく照らす照明と、それにプラスして照らしたいもののある場所にスポットライトを、また目に入りやすく手元を照らしたい場所にはペンダントライトを設置すると、明かりのメリハリのあるデザイン性の高い部屋にすることができます。
リビングのダクトレール成功のためのポイント2:ダクトレール照明の配置に工夫をこらす
ダクトレール照明の配置による効果とは?
ダクトレールは照明の取り付けや取り外しが簡単にできるので、家具などのレイアウトや部屋の使い方を変える時にも便利な照明機器です。また気分によって照明を交換できるので、いろいろな照明スタイルの部屋を楽しむことができます。
ダクトレール照明の配置のポイントとは?
部屋全体を照らしたい場合は部屋の中心部に取り付けることをおすすめします。もしリビングなど家の中でも部屋が大きい空間はレールを何列か平行に配置したり、ロの字型にすると、部屋全体を照らしやすくなりますし、テーブルなどピンポイントに照明を照らすこともできるようになります。壁面を照らしたい場合は、部屋の仕様や照明器具にもよりますが壁から約40cm~60cmぐらい離すと綺麗に光が照らせます。
まとめ:ダクトレール照明を失敗しないために大切なこと
■ダクトレールには容量・耐荷重の制限があるので、適正な照明器具・数を確認する
■明るさが調整できるように、明るさの調整ができるリモコンをつけたり、照明のスイッチ(配線)をある程度細かく分けて、照明のON OFFの調整ができるようにしておく
■明かりには昼白色、電球色、温白色の3種類あり、明かり色味の印象・明るさが異なる
■ダーク系のヴィンテージスタイルにはブラックのダクトレールを使うと部屋に滲み、インテリアとしてかっこよさを演出することができる
■ライト系のナチュラルスタイルにはできるだけシンプルな部屋にするとまとまりやすいので、あまりダクトレールはつけないようにする。つける場合は天井面の色味に近いものを選ぶ
■将来模様替えなどで部屋の使い方を変えることを見越して、ダクトレールの配置を考える
■部屋の大きさや光の照らし方を検討して、ダクトレールの配置を決める
家のリビングのダクトレール設置によくある失敗とその対策についてお話しましたが、いかがだったでしょうか?ダクトレールは照明の位置を簡単に変えたり、取り付け・取り外しができる照明機器ですが、ダクトレール自体の移動は電気工事が必要になるので簡単にはできません。なので、その分ダクトレールを取り付ける際には事前によく検討する必要があります。そうすれば5年後10年後と時間と生活スタイルがわかったとしても、ずっと快適に過ごすことのできるリビングにすることができます。皆さん、ぜひこのコラムを参考に家のリビングのダクトレールの設置について考えてみて下さい。