大角 里菜 ◇◇◇

『建て替え』と『新築』の違いとは?費用相場や解体工事についても解説

2024/03/29(金) 家づくりのこと

カスケの家スタッフブログをいつもご覧いただき、ありがとうございます。
新築事務の大角です。

マイホームを計画中に「建て替え」という言葉を目にすることがあるかと思います。新築と聞くと、新しい建物をそこに建てることがイメージされます。
しかし、新築の注文住宅を建てるときに「建て替える」と表現されることがあるんです。「新築なのに建て替える?」という表現に違和感を感じる人もいるかもしれません。どちらも「新しい家を建てる」ということに変わりはありませんが、具体的に「建て替え」と「新築」は何が違うのでしょうか。

今回はそんな建て替えと新築の違い、それぞれのメリットとデメリットのほか、費用や建て替えの注意点などについてご紹介します!

contents

1. 「建て替え」と「新築」の違い

・新築とは

・建て替えとは

2. 新居と新築の違いは?

・「家を建て直したい」と思うきっかけは?

・建て替えのメリット

・建て替えのデメリット

3. 家は何年で建て替える必要がある?

4. 家を壊して建て替える際の解体費用は?

5. 家を建て替える際の解体費用に補助金は使えるのか?

6. 新築と建て替えの費用相場の比較

・平屋の新築と建て替えの費用相場

・2階建ての新築と建て替えの費用相場

7. 家の建て替えは500万円でできるのか?

8. 家の建て替えは1000万円でできるのか?

9. 家の建て替えで費用を抑えるコツ

・建て替え工事の注意点

10. 建て替えとリフォームの費用相場比較

・フルリフォームの費用相場

・性能向上リノベーションの費用相場

・建て替えとリフォームの費用相場比較すると

11. まとめ

 

「建て替え」と「新築」の違い

建て替えと新築は、どちらも「新しく家を建てる」という点では違いはありません。ただ、更地に家を建てる新築とは違い、建て替えの場合は、家を建てる前に、現状の古い建物の解体・撤去を行う必要があります。ここでは、具体的に建て替えと新築について解説していきます。

新築とは

新築とは、何もない更地に新しく基礎(建物を支える鉄筋コンクリートの構造部分)から造って建築した家を「新築」と言います。新築は建物の配置や間取り、お庭のプランなど敷地全体を使って総合的に計画していくことができます。新築の場合、土地と建物がセットになった建売住宅と、工務店やハウスメーカー、設計事務所などに依頼して家を建築する場合があります。

ちなみに新築住宅は、未入居かつ建築後1年未満でなければならず、誰かが1日でも入居、未入居のままでも1年を経過すると中古扱いになり新築ではなくなります!

 

建て替えとは

建て替えとは、元の古い家を壊して同じ場所に新しい家を建てることです。更地に新築を建てるのとは異なり、最初に古い建物を解体しなければなりません。「旧居の解体撤去+新居の新築」が建て替えと考えていただくと、わかりやすいのではないでしょうか。

これまで長く住んでいた実家が古くなったため、解体して新しい家を建てるケースがあります。この場合は、「実家を新築する」というより「実家を建て替える」と表現します。また、古家付きの土地を購入し、解体後に新しい家を建てることも「建て替え」と言えます。

 

新居と新築の違いは?

もう一つ似た意味の言葉として「新居」という言葉があります。新居とは「新しく移り住む家」のことを指し、新しい家が中古物件であっても「新居」という表現を使いますが、新築は文字通り“新しく建てられた家”という意味で使う言葉です。

 

「家を建て直したい」と思うきっかけは?

●老朽化による頻繁なメンテナンス

●両親と同居することになった

●親から実家を相続した

 

築年数が長くなるにつれて老朽化によるメンテナンスで修繕費がかさんだり、家の断熱性や気密性など性能に不安や不満を感じたりすると「建て替え」を検討する方が多いようです。またご両親との同居や、ご実家を相続したこときっかけに建て替えを検討される場合もあります。

住まい全体の段差解消やバリアフリー改修をしようと思うとリフォームよりも「建て替えた方が合理的」と感じる方も多いです。

 

建て替えのメリット

①住み慣れた土地で住み続けられる

建て替えのメリットは、住み慣れた土地にそのまま住み続けることができることです。土地を探す手間と費用がかからず、生活環境が今までと変わらないため、通勤や通学・買い物などの日常生活が変わることはありません。

②希望するエリアで家を建てられる

家を建てようと考えても、希望するエリアで土地が見つからないと悩む人も少なくありません。人気の高いエリアでは、新しい更地が販売されることは少ないですが、中古物件が売りに出されるケースがあります。土地探しの際には、既存の建物を撤去し、家を建て替えることも視野に入れて探してみると、希望するエリアで土地が見つかる場合もあります。

③新しい家での暮らしがイメージしやすい

「ここは日当たりがいい」「道路からの目線が気になる」といった今までの間取りの良かったところを生かしたり不満を解消しながら、間取りをゼロから検討することができ、新築同様に自由度が高いので、より快適な家を実現することができます。

 

建て替えのデメリット

① 新築するより工期が長くかかる

更地から家を建てる新築に比べて、解体・撤去が必要になるため、新築よりも工期が長くかかります。

② 建築費用にプラスして、解体費用や仮住まい費用がかかる

建て替えの場合、既存の建物を解体・撤去する必要があるため、新しい家の建築費用の他に、解体・撤去費がかかることになります。

また、現在の住まいから一旦出ていくための引っ越し費用や仮住まい費用も必要になります。

③ 解体した残材や新築の資材の搬出入が制限されることがある

古い住宅地の場合、道路幅が狭く、大型車両が敷地まで入れないことがあります。そうした場合、搬出入の手間が増えるため、費用が割増しになってしまうこともあります。

 

家は何年で建て替える必要がある?

家には寿命があり、一般的には木造住宅で約30年、鉄骨住宅で約30~50年、鉄筋コンクリート住宅で約40~90年ほどと言われています。これはあくまでも耐用年数の目安で、住宅の品質と施工状況、使い方や住み方、メンテナンス方法によっては、木造住宅でも約80~100年住むことができたりします。

築40年以上の住宅は、「旧耐震基準」で建てられた建物のため地震に弱い可能性が高く、柱や基礎など建物を支える部分まで老朽化している可能性が高いので、大規模なリフォームよりも建て替えの方が安く済む場合もあります。

 

家を壊して建て替える際の解体費用は?

建て替えにかかる解体費用の相場は、その建物の構造によって異なります。カスケの家では木造住宅の1坪あたりの解体費用は5~6万円程度、軽量鉄骨造の場合は6~9万円程度、鉄筋コンクリート造となると8~10万円程度です。同じ構造の建物でも、業者や立地など、その他の諸条件によっても費用が異なります。また、解体費用には既存住宅の解体にかかる費用の他に、それによって発生した廃材の処分費用、倉庫や塀、庭石などの撤去費用、整地にするための費用が発生することもあります。

 

家を建て替える際の解体費用に補助金は使えるのか?

老朽化した空き家や旧耐震基準の家屋を建て替える場合、建て替え費用に補助金が使える可能性があります。ただし、実際に補助金が利用できるかどうかは自治体によって異なります。補助金制度がない自治体もありますし、補助金制度があっても条件を満たしている確認が必要です。

詳しくは各自治体にお問い合わせください。

 

新築と建て替えの費用相場の比較

家の建て替えを検討する際に、最も気になるのは、建て替えにかかる費用ではないでしょうか?今回は平屋住宅と2階建て住宅の新築と建て替えをそれぞれ比較しましたので、ぜひご覧ください。金額については建物の大きさ、土地の坪単価などによって金額差が出ますので、あくまで参考程度に見ていただければと思います。

平屋の新築と建て替えの費用相場

新築

【岡山平均】平屋を新築で建てた場合、建物価格は約2,500万円、土地価格は約1,000万円、合計約3,500万円が費用相場です。

建て替え

【岡山平均】平屋を建て替えた場合、建物価格は約2,500万円、解体価格は約150万円、合計約2,650万円が費用相場です。

 

2階建ての新築と建て替えの費用相場

新築

【岡山平均】2階建てを新築で建てた場合、建物価格は約3,000万円、土地価格は約1,000万円、合計約4,000万円が費用相場です。

建て替え

【岡山平均】2階建てを新築で建てた場合、建物価格は約3,000万円、解体価格は約150万円、合計約3,150万円が費用相場です。

 

家の建て替えは500万円でできるのか?

一般的な住宅メーカーが建てる家の価格帯は1,000万~3,000万円で、その中でも1,000万円前後で建てられる家がローコスト住宅といわれます。その中でも500万円というのは極限まで価格を抑えた超ローコスト住宅ということになります。また建て替えとなると、解体費だけで500万円近くかかる場合もあり、そうなると建物にかける費用がなくなってしまいます。解体費が抑えられたとしてもかなり難しい家づくりになるかと思います。

カスケの家では、建てるだけでなく今後の暮らしを考えた、夏は涼しく、冬は暖かい長く住み続けられる家づくりを大切にしているため、ローコストでの家づくりは行っておりません。

 

家の建て替えは1000万円でできるのか?

同じく1,000万円の費用でも建て替えをするのは、広さは期待できませんし、設備も最低限になり、納得できるものにすることは難しいかと思います。長く住む家を建てたい場合、家の快適性や安全性、デザイン性においても理想を実現するのは難しそうです。かなり難しいという点を事前に理解し、後悔のない家づくりを行ってください。また、2,000万円台の家になると、一気に選択肢も広がるため、迷っている方は並行して検討してみてください。

 

家の建て替えで費用を抑えるコツ

①給付金や補助金、減税措置を利用する

工事内容や地域によっては、自治体からの補助金や助成金が受け取れます。

補助金・助成金制度の有無や内容は自治体によって異なるので、お住まいの役所に問い合わせてみてください。

②仮住まい費用をできるだけ抑える

仮住まいにかかる費用は、将来の生活に影響しないお金になるので、節約しやすい費用ではないかと思います。礼金・仲介手数料のない物件や賃料の安い住宅を探したり、繁忙期の引越しを避けたりすることで、費用を抑えることができます。また、仮住まいへの引越しと建て替え後の引越しで、2回分の引越し費用が必要になるということも把握しておく必要があります。

③シンプルな形や間取りの家にする

建て替え費用の内訳で、最も割合を多く占めるのは建築費です。建築費を抑えるためにはできるだけシンプルな設計にすることが大切です。複雑になればなるほど必要な材料や工程が増えるため、費用がかさんでしまいます。工事の種類を減らし、使う部材も統一するのもおすすめです。

ただ、一生のうち何度もあることではない家づくりで予算を抑えるだけに気を取られるのはもったいないことです。今後何十年と毎日を過ごす家であることも意識し、譲れるところ譲れないところの優先順位を家族で話し合ってみてください。

 

建て替え工事の注意点

  • 建て替えでも地盤調査は重要。地盤改良が必要な場合もあります
  • 再建築不可物件だと建て替えできない
  • 新築ではかからない費用がかかる
  • 建築基準法の改正などの理由で、従来の家よりも小さくなる場合も
  • 解体時には近隣住民への配慮が必要
  • 生活インフラ・ライフラインの切り替えのタイミング
  • 仮住まいの検討

 

旗竿地の住宅の建て替えの注意点

旗竿地とは、道路に接している出入り口部分が細長くなっていて、その奥に敷地がある土地のことを言います。竿につけた旗のような形状をしていることから、旗竿地と呼ばれています。

旗竿地の場合接道義務が満たせていない場合、建て替えが不可となってしまします。建築基準法において建物の敷地は幅員が4m以上ある道路に間口が2m以上接しておく必要があります。なぜこのような接道義務があるかというと、接道が狭いと災害が起こった際、緊急車両がスムーズに通行できず、救助に遅れが出る可能性があるためです。旗竿地では通路となる部分の間口が非常に狭くなっている場合があります。2m以上の接道が取れていないと、建て替えができない土地となってしまいますので注意が必要です!

 

再建築不可物件の建て替えの注意点

再建築不可物件とは、法律上、現在ある建物を壊してしまった場合、再び新たな建物を建てることができない土地を指します。再建築ができない理由には、自治体ごとの条例が関係していることもあるものの、上記の旗竿地のように建築基準法第43条の「接道義務」を果たしていないケースが多いです。

 

【再建築不可物件の例】
  • 建築基準法上の道路とまったく接していない
  • 建築基準法上の道路と接しているが、その道路が幅員4m未満である
  • 建築基準法上の道路と接しているが、接する幅が2m未満である

なぜ再建築不可物件が存在するのかというと、建築基準法ができたのは1950年、都市計画法ができたのが1968年だからです。そのため、1950年以前に建てられた家や、都市計画区域等に指定される以前に建てられた家の中には接道義務を果たしていない物件が存在します。

 

建て替えとリフォームの費用相場比較

家の老朽化が目立ってきた、設備が古く使い勝手が悪い、家族構成が変わったなど住まいの見直しを検討し始めたとき、選択肢に挙がるのが「フルリフォーム」か「建て替え」ではないでしょうか。どちらも住みにくさを解消し、最新の設備や好みのデザインを取り入れられる方法ですが、我が家に合っているのはどちらなのか悩む方もいらっしゃいます。迷った際には「今後も同じ家に長く住み続けるか」「耐震性などを大幅に見直したいか」といった点を基準にして考えるのをおすすめします。

また、フルリフォームと建て替えの間の選択肢として、新築同等の性能を目指すことができる「性能向上リノベーション」についてもご紹介します。

フルリフォームの費用相場

フルリフォームの場合、延床面積45坪で2250万円程度(坪単価50万円)

フルリフォームとは、主要の構造部を残して大部分を造りなおすことです。基礎部分や梁、柱といった骨組みだけを残して家を解体するので、スケルトンリフォームとも言われます。

 

性能向上リノベーションの費用相場

性能向上リノベーションの場合、延床面積45坪で3150万円程度(坪単価70万円)

性能向上リノベーションとは、老朽化した住宅の補修工事をするのではなく、住宅の性能を高め、より快適に暮らせるようにする工事のことを言います。

具体的には、耐震性能、断熱性能、省エネなどの向上を伴う改修を施した工事のことです。

 

建て替えとリフォームの費用相場比較すると

建て替えの場合、延床面積45坪で3600万円程度(坪単価80万円)

価格が高騰している現在、大手ハウスメーカーでは坪単価100万円というところも普通になってきました。

カスケの家では、現在(2024年3月現在)坪単価80万円で高気密高断熱の家が建築できるため、30坪2400万円程度で建築をさせていただくこともあります。

 

建て替えとリフォームを費用相場で比較しましたが、住宅ごとに条件が大きく異なるため、一概に「どちらを選択するべき」と言い切るのは難しいのが現状です。「建て替えかリフォームか」を迷われた際は、まずは建て替えや大規模リフォームが得意な建設会社に相談するのがおすすめです。

 

まとめ

今回は建て替えと新築の違いについて解説しました。「新築」と「建て替え」の違いは、建て直し工事が含まれるかどうかです。建て替えは既存建物の解体工事から始まり新居を新築するので、建て直しが必要になるというところがポイントです。建て替えは解体工事をともなう分、工事費用が高くなり工事期間は長くなります。ただ、土地を持っている場合は、土地から買う新築より総額は安くなると思います。

また古くなった住居を新装したいときの住まいの選択肢として、リフォームやリノベーションをご紹介しました。まずはそれぞれのメリットとデメリットをふまえて、自分やご家族の希望がどれに近いのかを検討してみてください。必要な工程や発生する費用はさまざまです。悩んだときはまずは専門家に相談してみることをおすすめします。

 


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